女性なら「パンケーキ」の名前に反応してしまう「パンケーキリクガメ」。
甲羅の見た目も、平たくて甲羅が柔らかいパンケーキのようなカメです。
亀の種類の中では珍しい姿かたちで人気をよんでいます。
パンケーキリクガメとは
アフリカのケニア、タンザニア原産です。
主に野菜を好み、生息地では草やサボテンを食べています。
甲長は大きくて18㎝程で、色は黄色~黄褐色・褐色と様々です。寿命は20~30年程となっています。
弾力があり柔らかい甲羅は、リクガメの半分以下の薄さでできています。
温度は、原産国に合わせて昼間25~30℃、夜間15~20℃に保ち、昼夜の温度差を作ってあげると良いでしょう。
パンケーキリクガメの生息地の環境
パンケーキリクガメといえば、一般的にカメが生息しない岩場で生息します。平たくて柔らかくい甲羅が、岩場の間を素早く行き来するのに最適です。
そして危険を察知すると「狭いところに入って四肢を踏ん張り、体を膨らませて」外敵から引っ張り出されないように防御します。
ケージでは、シェルターの上によじ登ったりと、立体活動が得意なパンケーキリクガメには低めのシェルターを用意しましょう。
他のリクガメだと、脱走の心配はほとんど無いようです。
パンケーキリクガメの環境(岩場)作り
パンケーキリクガメの飼育も、原産国に合わせた環境作りをする必要があります。
岩場の隙間をよじ登る活発な面が多い一方で、一日のほとんどを住み家の方で過ごすことが分かっています。
ケージの中には、レンガやブロック等で自然界の岩場のような環境を作ってあげるのも良いでしょう。
パンケーキリクガメ「ケージの選び方」
パンケーキリクガメのケージは、大型の爬虫類ケージに・ガラス水槽がおすすめです。
比較的安価で購入できるなら、深さのあるプラ船やタライ船、衣装ケースに脱走防止用の金網やネットを付けたものでも大丈夫です。
大きさは60㎝以上の個体に合わせたケージで、通気性が確保できるものだとより良いです。
床材は湿度を保持しにくいもので、カメが水に浸かれるほどの深さの水も用意しましょう。
《環境》
乾燥した地域に生息していたので、高温多湿の時期には風通しの良いところで飼育できるようにします。
ただし乾燥した地域に住んでいたからと言って、冬場の過度の乾燥には注意しましょう。
パンケーキリクガメの飼育「用意するもの」
ケージの中には、水皿・餌皿、紫外線ライト・保温球(爬虫類蛍光灯)を用意します。
水皿には常に新鮮な水を汲んでおきましょう。
水はペットボトル等に汲んで1日置いたもの(カルキが抜けたもの)がベストです。
保温球は昼用と夜用で分けると良いですが、昼夜兼用のものでも構いません。
温度調節には紫外線入りの爬虫類用のサーモスタットを使用するのもおすすめです。
パンケーキリクガメ「紫外線とカルシウム」
出典:http://www.konicaminolta.jp/kids/animals/
亀は1日の中で定期的に日光浴をします。これは太陽の光(紫外線)でビタミンD3の生成ができるからです。
パンケーキリクガメはビタミンD3の生成により、カルシウムの吸収が促されて健康的な生活がおくれます。
基本的に日光浴は紫外線ライトで応用して、タイマーはおよそ半日の日照時間を再現(目安は10時間程に)します。
パンケーキリクガメの餌は何を与える?
パンケーキリクガメは植物をよく食べる雑食性で、昆虫等の多肉植物も食べることはあります。
基本的にはリクガメ専用フードを中心に野菜・フルーツも与えましょう。専用フードにはカルシウム・ビタミンD・ビタミンAも豊富に含まれています。
副食としての野菜にはキャベツや小松菜、トマトも食べます。果物はリンゴやバナナを中心に与えましょう。
ただしキャベツやブロッコリー等には甲状腺誘発物質(ゴイトロゲン)が含まれています。決して食べてはならないというものではありませんが、与えすぎるのも良くないようです。
パンケーキリクガメは、1シーズンに1~5クラッチ(産卵の数回)で、1クラッチに1個(稀に~3個)のたまごを産みます。
ウミガメの様に何個も産めるわけではありません。
このように希少なパンケーキリクガメも、密漁によって入手されることが多々あります。
そのため購入はペットショップや「とんぶり」「ぶりくら」「HBM」等の入手経路がはっきりしているブリターズイベントで購入するようにしましょう。
《パンケーキリクガメの価格と大きさ》
※画像はイメージです
価格は2万円~で、大きい個体や甲羅の模様が綺麗であるほど高値で取引されます。しかしリクガメの中では比較的安価なカメです。
基本的には、比較的成長した個体が流通しています。ベビーのパンケーキリクガメは捕獲が難しい為あまり出回らないようです。
パンケーキリクガメの知っておきたいポイント
カメは水質の変化に敏感な生き物です。水餌はこまめに取り換えて、水場も定期的に掃除をしましょう。
同じ水で生活していることで水が腐ってカビが繁殖・においの原因にもあることがあります。
そして、放っておくことでカメは皮膚病になることもあります。
カメの飼育では、パンケーキリクガメの種類に限らず、水質を綺麗な状態に整えておきましょう。
《パンケーキリクガメの餌と便》
飼い始めには餌をすんなりと食べてくれないことがあります。
例外として、冬は一時的に餌を食べる量が少なくなります。
そして食べた後には排泄物(便)に寄生虫が混ざっていることも。これら一つ一つをよく観察して対処してあげましょう。
パンケーキリクガメの価格と大きさ
※画像はイメージです
自然下では岩場の同じ場所に固まって潜んでいることがあります。
リクガメの多頭飼育はあまりおすすめしませんが、パンケーキリクガメの場合は「複数体でも仲良くできることが多い」ようです。
ただい新しい仲間を増やすときには、同じように餌はきちんと食べているか、寄生虫が混ざっていないかを確認しましょう。
まとめ
パンケーキのような弾力のある亀の甲羅は、背甲・腹甲を指で押すと柔らかさを実感できます。
甲羅にある「放射状の明るい褐色でできた美しい模様」も見ていて飽きません。
触り過ぎや構い過ぎも良くありませんが、どのくらい柔らかいのか・綺麗なのかも確かめておきたいですね。
パンケーキリクガメは臆病な性格です。餌は一つ一つ与えるところから始めて、甲羅は撫でてコミュニケーションを図りましょう。
飼育の基本的な部分では、一般的なリクガメと同様の飼育方法で問題は無いようです。