映画「ハリーポッター」シリーズでフクロウへの関心も高まっている今日。
ペットにもフクロウを迎える人が多くなっています。
実際、フクロウの生態はどのようなものなのでしょうか。
フクロウとは
野生のフクロウといえば夜行性で、餌は他の動物を捕食する「猛禽類」(もうきんるい)。
「ペットにする」となると簡単なことではないようです。
しかしフクロウはペットとしての関心が高まっていることからも、飼い方も知識として覚えておきたいですね。
寿命は小型のフクロウで10~15年、中型・大型になると20年~30年ほど生きるようです。
最後までしっかりと面倒を見てあげたいですね。
日本のフクロウは飼えない?
フクロウはワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora:サイテスCITES)との関係があります。
サイテスは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」のことで、フクロウはサイテスの「Ⅱ類」に当たります。
そのため日本のフクロウは保護して育てることも禁止です。捕獲・飼育は全面禁止となっています。
ペットとしてのフクロウは、海外の必要な手続きを経たフクロウとそのフクロウを繁殖させたもののみ飼育が許されています。
フクロウの餌の準備
前述の通り、フクロウは「猛禽類」の為、餌にはウズラの初生雛・ヒヨコ、ラット等を食べやすく切って与えます。
身の毛もよだつ作業ですが、これらには必要な栄養素(ビタミンやミネラル、ルシウム等)が詰まっています。
しかし不必要な部分は取り除く必要があるので、解体できない人は処理済みの物を与えると良いでしょう。
ケージには「置き餌」も置いて、フクロウが好きなタイミングでも餌を食べられるようにしておきます。
餌を与えていても餓死してしまう?
肉食動物なら「スーパーで売っている肉を餌にしても良いのかな」と思いますが、お店のお肉は「血抜き」が施されているので意味がありません。
栄養不足になってしまいます。
そして餌をきちんと与えていても餌の量が不十分ゆえに「餓死」させてしまうことも。
そして個体差では、昆虫を食べるフクロウもいるので、試し試しフクロウの餌を選んであげたいですね。
ストレスを溜めない環境整備
フクロウのケージは身動きしやすく水浴びもできるような、比較的ゆったりとしたサイズがおすすめです。
できれば100cm以上の大きさのケージを選んであげると良いでしょう。
フクロウも原産国に合わせた環境作りが大切で、気温の変化や湿度もこまめにチェックします。
「止まり木」もできれば環境に合った種類の木を選んであげると良いでしょう。
フクロウの値段と餌代
フクロウの値段は、モリフクロウのような比較的安価なフクロウで10万円~で、相場は20~30万円程度。高価な種類のフクロウになると40万円になります。
一方、毎月のエサ代は小型のフクロウで5,000円程度、大型のフクロウになると10,000円程になります。そしてペットには珍しいサプリメントで健康の維持にも努めます。
餌は大人で1日1~2回、食べる量は体重の15~20%が、大型で10%程とされています。
フクロウの為の部屋
夜中の森の中といえば静かで音1つにも敏感に反応できるところがありますよね。
フクロウのお部屋も、大きな音・振動が多い部屋では飼育が難しいため、フクロウの為の部屋を用意してあげられるとベストです。
基本的に人を襲う事はあり得ませんが、驚かしたりストレスが過大になると人を襲うこともあります。
フクロウの部屋(ケージ)
太っ腹な飼主さんは、フクロウにストレスが溜まらないよう一部屋全てをフクロウの部屋にすることも!
しかしフクロウはトイレを覚えることはあり得ませんし、部屋のテリトリーを行き来されることもストレスに繋がります。
また、窓からの「ロスト」も怖いですよね。フクロウにとってケージがあることは、意外にも安心感があるものなのです。
ケージの大きさは体調の3~4倍を目安に選んであげると良いでしょう。
小まめな体調管理
フクロウは毎日体重を測って体調管理、部屋の気温も温度・湿度計で快適な温度に保ちます。
寒い時にはペット用のヒーターで温めてあげましょう。
餌やりもピンセットと皮手袋等も使って、安心・安全な餌やりにします。フクロウは握力も強いので注意しましょう。
定期的な爪切りには、安全性からも獣医師・(フクロウを扱う)トリマーにお願いすると良いでしょう。費用はくちばしのメンテナンス込みで数千円が目安です。
フクロウは、定期的に水浴びをして清潔な状態に保ちます。
暑い日には体温を下げて、寒い時期には暖房で温まっているときに数日に1回のペースでも水浴びさせたいところ。
ケージには水入れを入れて、水は毎日交換。水浴びが終わったらこまめに掃除をしてあげると良いでしょう。
水浴びをしている様子は癒されますね。ちゃぷちゃぷ足に浸かるだけかと思いきや子供の様にじゃぶじゃぶ水浴びをしていて、見ていても飽きない可愛さでした。
フクロウの為にも相談できる相手が必要
犬猫の様にメジャーなペットではないフクロウ。
飼い方では、慣れない飼育に戸惑うことも多くなります。
そのことからも、近くに(フクロウ対応の)獣医師さんやトリマーさんがいることは安心です。
定期的な爪切り・くちばしのメンテナンスの為にも、お近くの専門の獣医師さん・トリマーさんは探しておきましょう。
フクロウを飼う際の注意点
フクロウは基本的に人になつく生き物ではありません。
餌やりでも「可愛いから」といって慣れない人の手渡しは避けた方が無難です。
またお子さんがいる家庭ではケガをさせてしまう危険性もあります。
最後にフクロウは「最後まで飼育できるのか」「飼育する上で問題点は無いか」確認してから購入を検討しましょう。
まとめ
フクロウの餌やりでは、飼主さんも大変な思いをすることが分かりました。
またメジャーではないフクロウの飼育では、買主さんの飼育の知識不足や体調管理不足で餓死させてしまう事もあることも分かりました。
フクロウは体調に合わせて餌の量も微調整しますが、飼主さんが餌を与えることが苦手だからといって「フクロウの餌の量」が減ることだけは避けたいですね。