釣りでは敬遠されがちなフグは「ペット」として人気急上昇です。
フグの飼育といえば飼育水作りに苦労しますが、純淡水で飼育できる淡水フグは「飼育しやすい」です。
アベニーパファー(淡水フグ)
世界最小の淡水フグです。半濁音が付いた名前も可愛いですね。
体は丸くて黄色、背には深緑色や黒の斑があります。
尾ひれは体の大きさに対して小さく、ゆらゆら揺らすように泳ぎます。
インド原産で寿命は2年程度です。大きくて太っているものは体力があるとされています。
アベニーパファーは200~300円程度で購入可能です。
水槽等の必要な物も含めると1万円程度から飼うことができます。毎月の維持費は、光熱費込みで数百円程度になります。
餌は人工飼料が苦手で、主に冷凍アカムシ・乾燥アカムシ、スネール、貝殻等を与えます。
給餌は1日2~3回で、規定量以上与えないように注意しましょう。
給餌は定期的に行い、空腹な状態にして他の魚を攻撃させないようにします。人間に対しては人懐っこい性格です。
同種での集団行動は得意な面もありますが、集団ができているところに入ることで仲間外れにされる可能性もあります。
一方、低層を泳ぐ種類とは混泳が可能なこともあります。
水槽には隠れるスペース(シェルター)を用意して、仲間外れにされたり、他の魚を襲うようなことが無い環境を作りましょう。
アベニーパファーはストレスが過大になると、自分や周りのアベニーパファー・他の魚を毒で殺してしまう事があります。
人の場合は、若干手が荒れる程度です。ただし流通しているフグに関しては繁殖個体の為、問題は少ないようです。
一般的に水質は軟水・弱酸性、水流は弱めで26度前後の水温に保ちます。
水温は24度程度での飼育で「給餌量の調整」から「病気の予防」「長生き」させることも期待できます。
水は、細かな温度変化・水質悪化に対応できるように定期的に変えて管理しましょう。入れ替えるときにも水質や温度管理に気を付けます。
アベニーパファーが白点病になって時には、30度前後の水温に上げてメチレンブルーで殺菌します。
・水槽(ライトがあるとインテリア映えします。)
《水槽に付属するもの》
・専用のフタ(魚の飛び出しを防ぎます。)
・フィルター(酸素を行き渡らせて水はろ過します。フィルターはお手入れがしやすく、個体にも合ったものを選びましょう。外掛け式が一般的です。)
・水温計
・ヒーター(冬場の水温を保つ為に必要です。温度は予め設定されてあるものも多いので、初期設定温度を確認の上で購入しましょう。)
・カルキ抜き剤(魚にとってカルキは毒になります。簡単な方法では「水道水をペットボトル等に入れて1日おく」とカルキを飛ばすことができます。)
・網(網はアベニーパファーを移動させる場合に使用します。小さい方が使いやすいようです。)
・スポイト(スポイトは餌の食べ残しや糞を手軽に除去することができます。また、餌に水を垂らして解凍させるときにも便利です。)
・ピンセット(餌を与える時にはもちろん、水槽内の物を掴むのにも便利です。)
・底砂、ソイル(水質を弱酸性にしてくれるものを選びましょう。)
・シェルター(集団から逃れるため・また他の魚を攻撃しないための隠れ家を用意します。)
アベニーパファーは大きくても3㎝程度の大きさになるため、25㎝程度で12Lほどの水槽がおすすめです。
水槽の中には餌の残りや排泄物があると、腐敗して毒性の強いアンモニアが発生してしまいます。
フィルターも生物ろ過によって分解・除去できるものを選ぶと良いでしょう。
インドシナレオパードパファー
マレー半島に生息しています。15㎝程度の大きさで、大きな黒い目が特徴的です。
水質は弱アルカリで、弱酸性にも対応可能と言われています。日本の水は弱アルカリなので調製剤不要です。
ただし、適応性があるからといって急に水質・水温を変えると白点病などの病気になることがあります。点滴法で慎重に適応させるようにしましょう。
基本的には単独飼育で、餌は生餌から徐々に人工飼料に変えれるようにします。
インドエメラルドパファー
アベニーパファー(淡水フグ)の中でも気性は荒い方です。
餌は、生餌・冷凍餌を与えます。10㎝程度の大きさになるので、50㎝程度の水槽に単独飼育すると良いでしょう。
弱アルカリ性の水質は、インテリアにも抜群です。
水質(弱酸性)によっては水草や流木等のお決まりの物しか置けないものの、弱アルカリ性での飼育となると貝殻・サンゴ礁、フジツボ、ライブロックまで置けて幻想的な空間にできます。
ミドリフグ
最もメジャーなフグです。
インドネシア・タイ原産で、汽水域に生息していることが多い一方で飼育水作りが難しい面もあります。
寿命は5年程度となっていますが、飼育に慣れた人だと10年まで生き長らえさせることができます。
価格は800円程で、気性は荒く本種のみの飼育にした方が無難です。
淡水域で採取されたフグになると、純淡水での管理や人工飼料、水質に対応可能な個体もいるようです。
15㎝程に大きく成長することがあるため、水槽は50㎝を目安にしましょう。
水は弱アルカリの水質で、水が汚れるのを防ぐために上部フィルター・投げ込みフィルターの併用も良いでしょう。
フィルターのコードなどはかじられないように気を付けます。餌はピンセットで口元に持っていくと、直接餌を食べてくれて餌付けも可能です。
さいごに
ペットとして一般的なミドリフグは、汽水を準備する必要があります。成長によって塩分濃度を濃くしていく必要があり手間がかかります。
汽水は人口「海水の素」を使用して、0.02の比重は超えないように注意しましょう。最初は、購入先と同じ比重に合わせます。
一方で、淡水フグは純淡水で飼育できるため比較的お手軽です。
ミドリフグはお世話をすることも大好きな人に、淡水フグは始めてフグを飼う人にもおすすめのペットといえるでしょう。
ただし飼育してから「思っていたよりも大変だった」と投げ出さないようにだけしてくださいね。