リス科に属するモモンガ・ムササビ。
モモンガもムササビも、ペットとして飼育することは可能なのでしょうか?
モモンガ・ムササビとは
モモンガ・ムササビはリス亜科モモンガ族の生き物です。
その中でもムササビはモモンガ族ムササビ属に属しています。因みに、ムササビは日本にのみに生息している固有種です。
大きさはモモンガが体長15~20cm・体重100~200gで、ムササビは体長25~50cm・体重500~1,500g。
体格はムササビの方が一回りも二回りも大きいですが、寿命はどちらも10年程生きるとされています。
モモンガとムササビ
モモンガもムササビも夜行性の生き物です。
モモンガは北海道から九州まで幅広く生息していますいが、ムササビは青森から九州までの分布となっています。
生活スタイルの違いでは「モモンガは5匹~多いと10匹程度で生活しますが、ムササビは単独で行動」します。
生活の拠点は、どちらも大きな木にある洞窟状の空間(樹洞)です。
顔はモモンガが比較的「目」が大きいのに対して、ムササビはイタチのようなシュッとした顔だちをしています。
モモンガ・ムササビの特徴
ムササビは前足と後足の間だけではなく、首からしっぽにも飛膜があります。
※飛膜とは、飛行をするための皮膚のひだのことです。
これによりムササビは100m以上も滑空できます。※モモンガは20~30mです。
モモンガ・ムササビの飼育
ムササビもモモンガも「鳥獣保護法」で保護されている生物です。
2005年からは輸入規制が入り、2006年には「特定外来生物」の指定も受けています。日本産のムササビやモモンガは捕獲・飼育できません。
つまりペットとして飼育できるのは、世界に分布しているモモンガだけです。
ペットとして飼育出来るモモンガの種類には以下のようなものがあります。
1. アメリカモモンガ
2. フクロモモンガ
値段は10,000円~150,000円程です。
タイリクモモンガ、エゾモモンガ、ホンシュウモモンガ等は生息数の少なさから輸入規制されています。
モモンガを選ぶ
モモンガは目やに、涙目や乾き目が気にならない「目が綺麗な個体」を選びましょう。
他にも鼻水、耳の中や周り、お尻・生殖器の汚れも無いか確認します。
体毛は「脱毛している箇所はないか」「艶があるか」「体格はふっくらしているか」も調べましょう。
後は手足の指もきちんと揃っているか確認して、しっぽをよく振る「元気な子」を選びましょう。
モモンガの性格
モモンガは警戒心が強く・臆病な生き物です。
また、夜行性なので(基本的に)寝顔しか見ることができません。
起きているところを見たいからと「無理やり起こす」ことは自然に反することになります。
※睡眠がきちんととれないと攻撃的になる子もいます。
環境の変化や大きな音もストレスの元になるので、ペットにむかえる場合は静かな部屋を用意できると良いでしょう。
モモンガのトイレ
モモンガはトイレの概念が無い生き物です。
ケージを掃除するときには、室内まで汚されないように注意しましょう。
ケージから出して遊ばせる時にも糞尿対策はとっておきましょう。
カンファペット
ペットの臭いにはカンファペットがおすすめ
カンファペットは、一般的な消臭剤のように臭いの匂いで被せるのでなくきちんと消臭します。
カンファペットの最大の特徴は安全な消臭剤であるところです。
ペットやお子様にも安心な成分ですので、ペットの臭いにお困りの方はぜひおすすめです。
モモンガの飼育
ムササビは室内飼育が基本です。
温度は18~28度に保てるようにします。
ケージは通気性も良いワイヤーケージ(5,000〜10,000円前後)での飼育がおすすめです。
ケージは高さ・広さも確保してストレスが溜まらないような飼育環境に整えてあげましょう。
巣箱はケージの上部に設置。※巣箱は(木製の)鳥の巣箱でも代用できます。
餌箱・給水器、登り木、床材も入れて快適な空間を作ってあげましょう。
モモンガの餌箱・給水機
エサ箱等はモモンガが乗っても大丈夫な「比較的重みのある物」を設置します。
水はボトル型タイプの給水器で与えるのがおすすめです。
餌とお水は夕方に取り替えて、夜行性のモモンガに新鮮な餌・水を与えられるようにしましょう。
モモンガのケージの中に入れる物
ケージの中は「駆け回れるようにハムスター用の回し車を設置する」と運動不足も解消できます。
木を添える場合は、枝分かれしているタイプだと「爪の摩擦を増やして自然に爪を整える」ことも期待できます。
かじり木も木材でできたかじり木を選ぶと比較的安心・安全です。
またモモンガと早く仲良くなりたい場合は、藁や新聞紙の他「巣箱の中に飼主さんの匂いが付いたハンカチ」等も入れて飼主さんのにおいを覚えてもらいましょう。
モモンガの床材
床材は新聞紙やトイレシートを活用すると掃除が楽になります。
掃除は3日に1度を目安に小まめに掃除をしましょう。
1ヶ月に1度はケージを洗い日光消毒・煮沸消毒も心掛けます。
餌箱・給水器は毎日洗って清潔な餌・水を与えられるようにしましょう。
モモンガの餌
野生のモモンガは雑食で昆虫やネズミ、果物・樹皮も食べます。
ペットとしてはミルワーム・コオロギでたんぱく質を摂取。
野菜・果物はリンゴ・バナナ、さつまいも・かぼちゃ・にんじんの他、ひまわりやかぼちゃの種も食べます。
餌もバランス良く与えて健康的に育てられるようにしましょう。
モモンガ「懐きやすさ」
ペットショップでは流通している種類はフクロモモンガの方が多いです。
種類では、アメリカモモンガは野性的で懐きにくいです。
一方、フクロモモンガは集団生活ができるので、小さな頃から関われば仲良くなれることもあります。
フクロモモンガ
フクロモモンガはオーストラリア原産の有袋類の生き物です。
カンガルー・コアラにあるような「育児嚢(いくじのう)」を持っています。※育児嚢とは、赤ちゃんを育てる袋のことです。
アメリカモモンガは体臭が少なく、排泄物の量も少ないのであまり臭くありません。
一方、フクロモモンガは臭腺が発達しているのでニオイがきついです。
縄張り意識が強く、マーキングもしますがメスのニオイも強め。排泄量も多いので、アメリカモモンガよりもニオイ対策を考える必要があります。
まとめ
ペットとして飼育できるのは、海外原産のモモンガの一部ということが分かりました。
中でも、仲良くなりやすい種類はフクロモモンガです。
匂いに敏感なモモンガからは、飼主さんのニオイも早く覚えてもらってある程度仲良くなれるようにしましょう。
かといって関わりすぎてストレスを溜めさせると、最悪の場合はショック死させてしまうこともあるので注意しましょう。