基本的に土の中で生息しているモグラ。
地表に現れた時には、レアな生き物との遭遇に感動することもあるでしょう。
その可愛らしい見た目では「ペットに迎えたい」と思う人も続出!そこで、モグラはペットとして飼育できるのかどうかまとめます。
モグラとは
モグラとは食虫目モグラ科の哺乳類の生き物です。
黒焼きにしたモグラは土竜霜(どりゅうそう)と言う生薬になり、咳や皮膚病にも効果を発揮します。
被毛は乗馬用の衣類にされてきた過去もあり、人々の生活を豊かにしてくれる一面も持ち合わせています。
「嗅覚と聴力の高い」モグラ
モグラはまるい体型にシャープな鼻が特徴的!
日常生活を土の中で過ごすモグラは、目が退化する代わりに嗅覚が発達!獲物の発見にも役立ちます。耳は無いものの聴力は250~3500へルツの音まで収集!
前足は土を掘るために大きくて平たいスコップのような形に進化!モグラの太くて短い尻尾は、体温の調節に役立っています。
モグラの性格「凶暴」
モグラは凶暴な生き物です。きちんと餌を与えても人に懐きはしないでしょう。
それでも長いトンネルを通ってきて懸命に水を飲む姿は可愛らしいです。
出典:youtube.com
モグラは少し離れてみる程度が丁度良いのでしょうね。
モグラの運動量は多め
モグラは運動量が多い生き物です。
飼育するときには、大きめの水槽とパイプ・金網で作ったトンネルを組み合わせます。
それでいて土の管理・温度管理にも気を使わなければいけないので大変です。
モグラは暑さ・寒さに弱いので、冷暖房を直接当てないように気を付けましょう。
モグラは泳ぐこともできる!
土の中でしか生息できないと思われるモグラ。
しかし大きくて平たい手は泳ぐのにも最適!
土を掘っている時に水辺に当たっても泳いで渡ることができます。ただ普段から水の中で生息することはありません。
モグラ「巣穴の大きさ」
モグラの巣穴の一例では地下の2メートルのところにある(大きな)木の根元に作られます。
そこから連絡通路を作っていき(動きを鈍くした)生き餌を溜めておくエサ場モグラも作ります。
トンネルは地下15~40センチ、長いと200~300メートルも掘り進むとされています。
《モグラのトイレ》
モグラは大食いなのでトイレの量も多そうですよね。
モグラは1日に1回地表でうんちをします。うんちは大きさは13.5ミリ程度の小さな塊で、それを何個もするのです。
モグラの縄張り意識
モグラは縄張り意識が強い生き物です。
そのため自分の掘った穴に入ってくる生き物は攻撃して追い出します。相手が餓死しようがお構いなしです。
《単独で生活》
モグラは450㎡の範囲を縄張りに単独で行動します。
しかし餌が豊富になると200㎡当たりでも生活可能です。繁殖期は年1回で4頭しか産むことが出来ません。
モグラ「太陽の光(弱)が必要」
モグラは「太陽の光に当たると弱ってしまう」イメージがありますが、実際は弱い光が当たらないとストレスを抱えてしまいます。
モグラは太陽の光ではなく、太陽の光による体温の上昇で死んでしまうことがあるのです。
つまり地上で死んだモグラは「体温の上昇」か(12時間以上の空腹による)餓死」したと考えられます。
モグラは野生の土の中で元気に過ごさせてあげるのが一番です。
モグラの飼育「難しい」
モグラは鳥獣保護法(2014年改正)により鳥獣に含まれることとなりました。つまり野生のモグラを無許可で捕獲すると罪になります。
飼育には以下のような目的が必要です。
・農業、林業の被害を食い止める為
・狩猟期間中の狩猟免許者による捕獲
・学術研究の為
これらの場合にのみ各都道府県知事の許可を得た上で飼育することができます。
許可なく捕獲した場合は「懲役1年または100万円以下の罰金」が科せられます。
モグラとエサの確保
モグラを飼育するときには、人間と同じ1日3食エサを与える必要があります。
餌はミミズや幼虫を与えますが、ミミズの場合は1日60匹は食べるようです。
合いびきミンチを与える場合は、新鮮なたんぱく質(生き餌)も与えます。※生き餌を与えるのが苦手な人には向かないペットです。
新鮮なたんぱく質(生き餌)の例:生きたミルワーム等
「1日400円以上かかる」モグラのエサ
モグラは意外にも大食いです。身体に見合わない量の餌を食べます。
体重と同じ量のエサを食べて、そして胃の中に12時間以上食べ物が無いと餓死をしてしまう特異体質!
《生き餌の値段》
因みに釣り具ミミズを購入すると45匹程度で400円です。
月に換算すると餌代で17000円程かかります。
このようにモグラの飼育には餌代がとてもかかるのでペットには向きません。
モグラ「爪切りも危険を伴う」
飼育下のモグラは、野生のモグラよりも運動量が少なくなります。
そのため(運動中の)爪を研ぐ機会も減り、足の爪が伸びやすくなるので定期的な爪切りが必要です。
しかしモグラの為に爪を切ってあげようと思っても、凶暴な性格で飼主さんが噛まれてしまう事もあります。
日本固有のモグラの種類
・アズマモグラは日本固有のもぐらで、(静岡県、長野県、石川県より以北の)本州と紀伊半島南部に生息。
アズマモグラの中でも山地に生息している個体は比較的小型で、太平洋側の平地になると大型の個体が多いとされています。
・コウベモグラも日本固有種で、西日本を中心に生息。※紀伊半島には生息していません。
アズマモグラよりも大型で、少しずつアズマモグラを駆逐して生息できる環境を広げつつあります。
モグラと動物病院
モグラのような特殊なペットは爪切りでも苦労することでしょう。
過って爪を切りすぎてしまったり、モグラが体調を崩した時には動物病院で診てもらう必要があります。
ただモグラに対応できる動物病院は少ないので飼育は困難と言えるでしょう。
まとめ
生活区域の広さやトンネルの長さ、膨大な餌の量、こまめな管理が必要なペットのもぐら。
これらを見ると「調査目的」等以外で飼育するのは困難と言えるでしょう。
飼育できたとしても5年も生きることが出来ずに亡くなってしまいます。
もし身近でモグラを発見しても捕まえようとせず、自然の中で生活させてあげてください。
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