胴長で短足がかわいい、ダックスフント。愛らしい姿で私たちを癒してくれます。
ダックスフントの特徴で有名な病気に「椎間板ヘルニア」があります。病気の進行に個体差があり、1日でも手遅れになると歩けなくなることも。
ヘルニアになってしまったらまずやっておきたいことを伝授します。
椎間板ヘルニアになぜなるの?
腰に負担がかかることで椎間板が外に飛び出してしまう
ダックスフントの椎間板ヘルニアに限らず、椎間板ヘルニアになる仕組みは、人間と変わりません。
腰に負担がかかってしまい、背骨の間にある椎間板が飛び出してしまうことによって症状が起こります。椎間板は背骨同士がぶつからない様にクッションの役割をしています。椎間板が飛び出してしまうことで痛みが走ります。
椎間板ヘルニアにならないためには、日頃の生活スタイルが重要です。遺伝ももちろんありますが、日常生活の中で椎間板ヘルニアは予防することができます。その予防についてみていきましょう。
縦抱きをしない
ダックスフントの飼い主のみなさん!愛犬をどのように抱っこしていますか?
愛犬が人間の身体と平行になるように、縦に抱っこしている場合は要注意!胴が長い分、縦に抱っこすると腰に大きな負担がかかります。負担がかかっている部分の椎間板が頑張っている状態になります。
そのため、縦に抱っこしている状態を長く続けてしまうと、負担がかかっている椎間板が悲鳴をあげて外に飛び出してしまうことに。縦に抱っこしないようにしましょう。
愛犬の体を平行にして抱っこする
縦に抱っこしないで正しい抱っこの仕方を知りましょう。
愛犬の体が地面と平行になるように抱っこしましょう。地面と平行になることで腰に負担がかかりにくくなります。
つまりヘルニアを誘発する抱っこの仕方ではなくなるということ。
左手を後ろ脚の間に入れて、右手を前足の後ろに入れると上手に抱っこすることができます。
もし今までの抱っこと違うのであれば、今すぐ実践してみてくださいね。
椎間板ヘルニアの症状とは?
椎間板ヘルニアの症状を知っておくことで、初期で対応することができます。
椎間板ヘルニアは初期症状で手をうつことが重要な特に重要な病気です。椎間板ヘルニアの症状を知って、愛犬を守りましょう!
初期症状その1 震える・抱っこを嫌がる
寒くないのに震えたり、いつも抱っこを求めていたのに急に嫌がるようになった。それは椎間板ヘルニアの初期症状の可能性があります。
この時点で対処できればいいのですが、見逃しやすい時期です。
「寒いのかな?」「ちょっと様子を見よう」となってしまうからです。椎間板ヘルニアは「ちょっと様子を見てみよう」が1番ダメ!
大げさなくらいに反応して動物病院に連れて行く必要があります。
もし勘違いだったら、胸をなでおろすくらいでいいんです。椎間板ヘルニアの初期症状は震える・抱っこを嫌がるです。
初期症状その2 歩き方がおかしい
飼い主さんが1番分かる、愛犬の歩き方。この歩き方がおかしいときは、椎間板ヘルニアの症状の進行が始まっている可能性があります。
スムーズに歩かず、なんだかスキップしているような、ステップを踏んでいるような、自然と足を前に運べていないときは要注意!
歩き方がおかしい時点で動物病院へ直行です。その際、歩き方が変だと気が付いたのはいつからなのか、状況が分かると診察がスムーズにいきます。
もし歩き方がおかしいと思った時は「様子を見よう」を絶対しないこと。すぐに動物病院で検査をしてもらってください。
椎間板ヘルニア発症!その1 足を引きずっている
歩き方がおかしいという部分を超えて、明らかに足を引きずっている場合、すでに椎間板ヘルニアを発症しています。
そのため、この時点でステロイドなどを使って治療を開始します。グレードで言うと5段階中の2~3くらい。
「足を痛めたのかな」と様子を見るのは、足を引きずっている時点で最もやってはいけません。
足を引きずっている時点で治療を始めると、下半身マヒになる可能性を最小限にすることができます。
椎間板ヘルニア発症!その2 自分で立てない
自分で立てない状態は、状況によっては手術を必要とする状況です。
グレードで言うと4程度のかなり重症の部類。自分で歩けない場合、手術をして歩ける場合と車いすになってしまうパターンがあります。
手術執刀の先生の腕による部分が多く、手術する先生の評判などを、日頃からしっかりと確認しておく必要があります。
手術になった場合は20万から50万と幅がありますが、今後愛犬が日常生活を不自由なく送れるのかは、飼い主さんの判断にかかっています。
椎間板ヘルニア発症!その3 自分で排泄ができない
グレードでいうと、最も悪いグレード5。この状態では内科治療はほぼ効果がなく、手術以外の選択肢がない状態です。
即入院・手術の判断をしましょう。グレード5までくると、手術しても自分で立ち上がることができるのは、50パーセントから60パーセント。
可能性はグレード4から考えても低くなります。
ですが、放っておくと脊髄軟化症になる可能性もありますので、「歩けないから手術をしない」という判断は、愛犬の命にかかわります。
脊髄軟化症って?命の危険は?
脊髄軟化症は、医学的にも解明されていない病気で、発症すると100パーセント死に至る病気です。
後肢からマヒが頭の方に向かっていき、身体が機能しなくなって命を落とします。
椎間板ヘルニアとセットで発症する場合があり、グレードが上がれば上がるほど併発の可能性が高くなります。
ですので、椎間板ヘルニアは初期症状で対処することが大切ということになります。
ステロイドって危ない薬なの?
ステロイドという言葉を聞いただけで、「危ない薬」というイメージを持っている飼い主さんもいます。長期で使用することはいけませんが、短期間で使用する分には問題ありません。
むしろ進行の早い椎間板ヘルニアの場合は、ステロイドで一気に症状をたたいてしまうことが大切。
獣医さんといつまでステロイドを使用するのかを相談して、1週間や2週間程度であれば、思い切ってステロイド治療を始めましょう。
椎間板ヘルニアから愛犬を守れるのは、飼い主さんだけです
ダックスフントに起こりやすい椎間板ヘルニア。進行が早く、飼い主さんの判断次第で愛犬の運命が大きく変わってしまいます。
もしいつもと様子が変!と思った時は、大げさだとは思わずに、動物病院に行くようにしましょう。
椎間板ヘルニアから愛犬を守れるのは、飼い主さんだけです。