雨の日のワンちゃんの散歩で出くわすナメクジやカタツムリ。
一見、害のない生き物のようですが、愛犬がパクリ…。
気が付いたらナメクジやカタツムリを中間宿にしている寄生虫が、愛犬に寄生しているなんてことも!
そこで今回は犬とナメクジ、カタツムリとの関係、専用駆除薬についてまとめます。
ナメクジとカタツムリ
ナメクジは軟体動物門・腹足綱・有肺亜目・柄眼目の生き物です。
4~6月、また9~10月の多湿の時期に多く見られます。
チャコウラナメクジ(約6cmほどの大きさのナメクジ)の場合は、春になると卵から孵化。
それが4月になると1cm、2ヵ月で6cmほどの大きさに成長。
因みにナメクジには、「貝殻が無いナメクジ」も含まれます。※カタツムリは、軟体動物門・腹足綱の巻貝の一種です。
寄生虫が及ぼす影響
ナメクジやカタツムリは、ワンちゃんに寄生虫を媒介しやすい生物です。
ワンちゃんの身近な敵として知られている蚊は「フィラリア」を媒介しますよね。
一方、ナメクジやカタツムリは「肺虫」という寄生虫を媒介する要注意生物。
寄生されるとワンちゃんは咳や気管支炎、嘔吐、下痢、衰弱、麻痺などを引き起こし、最悪の場合には死に至ることもあります。
ワンちゃんが「ナメクジやカタツムリを食べて体調が悪い」また「元気がない」ようなら、早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。
肺虫って何?
肺虫は、ワンちゃんにも「寄生することは少ない生物」です。
でもワンちゃんが水たまりの水を飲もうとした時、また被毛に絡みついた「ナメクジやカタツムリを過って食べてしまう」と、飼主さんは不安に…。
口の中に取り込まれた肺虫は、呼吸で重要な役割を果たす肺実質(はいじっしつ)という器官に寄生。
渦巻き状に寄生したら、あとは気道中に虫卵や幼虫を気道中に放出。
うんちにも紛れ込み、他のワンちゃんが舐めて二次被害を引き起こすこともあります。
専用の虫下しの薬
帰宅後「(愛犬の)足の裏についていたり」と、油断できないナメクジとカタツムリ。
ワンちゃんは、これらを食べたらすぐに体を壊すというものでもありません。
でも体調を崩した場合は、動物病院で虫下しの薬を処方してもらうようにしましょう。
市販の虫下しの薬は、回虫の駆除にしか効果を発揮しません。
そのためナメクジやカタツムリを食べた時には、動物病院で検査をしてもらうと安心です。
犬に寄生する回虫
回虫とは、人や生き物の小腸に寄生する線虫類の生物のことです。
ワンちゃんに寄生する回虫は約15cm程度とされています。※人に寄生する回虫は30cm程度。
肺虫よりも大きいものの、被害は少なめ。色は黄赤~灰黄色をしています。
これは汚い生野菜類に付着した卵が、腸内で成長することでワンちゃんに寄生。
大量に寄生されなければ「比較的問題なし」の寄生虫です。
回虫の感染経路
口から(または経皮的に)入って、小腸の壁にたどり着いた回虫の卵。
卵から孵化した回虫は、小腸の壁の内側にもぐりこみ血管やリンパ管の中へ…。
そして体内にバラけて、成長しながら体内を移動。
肺を通ったら、気管内に入って痰にまぎれて口に戻ります。
そして飲み込まれ、また食道を下って小腸に戻り産卵を再開。回虫も、肺虫と同様、覚えておきたい生物です。
他の感染経路
ワンちゃんの回虫の感染経路には、以下のようなものもあります。
・親犬の体内で出産前の仔犬の体内に移動して、出産後に体内で成長。
・親犬(または親猫)の母乳に入って、子犬の体内へ。
・ネズミや昆虫の中の(子虫の)回虫が、ネズミ達が捕食される事で成長を再開。
これらの疑いがある場合は、市販の虫下し薬を使用してもOK。
「ナメクジやカタツムリが原因で体調を崩している」と分かる場合は、動物病院で処置してもらうようにしましょう。
広東住血線虫症(カントンじゅうけつせんちゅうしょう)
飼主さんにも害を与えることがあるナメクジやカタツムリ。
人も、野菜などに付着したものを過って食べてしまうと、広東住血線虫(Angiostrongylus cantonensis)症を発症することがあります。
※広東住血線虫とは、前述の通り「ナメクジやカタツムリが媒介する寄生虫」のことです。
ナメクジやカタツムリは、(ネズミの内内で成長した幼虫が排出された)ネズミの糞を摂食することで中間宿に。
ヒトが感染した中間宿を食べると、脳や脊髄の血管、髄液の中に寄生して髄膜脳炎の症状を引き起こすこともあります。
ナメクジやカタツムリの退治法
身近なナメクジやカタツムリを、ワンちゃんの健康のために退治。
ナメクジやカタツムリの退治法には、以下のようなものがあります。
・塩をかける(約85%は水でできているナメクジは、浸透圧の関係で水分が出て溶ける)
・嫌いな香りとされる(カフェインが含まれた)紅茶などをばらまく
・市販の薬品を使う
ワンちゃんにとっても害のあるカフェイン飲料は、雨の日の前日にばらまいてナメクジやカタツムリを退治!
市販の薬品は「ナメクジ駆除剤ナメトール」などがおすすめです。
ナメクジ駆除剤ナメトール
「ハイポネックス ナメトール ナメクジ・カタツムリ用(300g)」は、アマゾンで評価4.6の「高評価のナメクジ駆除薬」です。
価格は1394円。天然の土壌中にも存在する成分を使用しているのでワンちゃんにも安心。
環境にも優しい上に、残った粒は土壌微生物の働きで自然に戻ります。
湿気の多い日には「ナメクジがいるところ」や「ナメクジが食べる植物」に振りかけて誘引・殺虫!
ナメトールの口コミ
ナメトールを使用した人の口コミには、以下のようなものがあります。
・外猫の餌の容器に入るナメクジ退治(容器の近くに散布)にも良かった。
・30匹~40匹いたナメクジも、使用した次の日には数匹に減り、3日後にはいなくなった。
ナメトールは自宅周りのナメクジ対策には、もってこいのナメクジ駆除薬です。
まとめ
飼主さんにとっても、ワンちゃんにとっても害のあるナメクジやカタツムリ。
ワンちゃんが過って食べてしまっても、飼い主さんは落ち着いて対処。
予めナメクジやカタツムリ対策をしておきたい場合は、専用の駆除薬で予防するのもいかがでしょうか。