ミーアキャットの事、もっと知りたい!
あなたは実際にミーアキャットを見た事がありますか?海外でもなかなか野生で見るのは難しい小動物です。
小柄な体で、二本足立ちし機敏な動きで回りをキョロキョロするその見た目はなんとも可愛らしく、動物園ではみんなの注目をかっさらう人気者です。
なぜ立ってキョロキョロするの? 普段は何をしているの? どこに住んでいるの?
これらの様々なギモンを解決しながら、もっとミーアキャットのことを知っていきましょう。
ミーアキャットってどんな動物?
Meerkat/ミーアキャット
マングースの仲間で体長は約25~31cmでチワワくらいの大きさですが、体重は約1キロととても軽い小柄な動物です。体は黄褐色、灰褐色の柔らかい毛に覆われ、実は縞模様が入っています。目の回りや鼻、耳は黒色です。顔だけ見ると小さいパンダみたいですね。
どこに住んでいるの?
野生のミーアキャットは南アフリカのボツワナ南部などの岩の多い荒地や乾燥したサバンナに生息しています。モグラのように強力な爪を使って地面や岩の割れ目に穴を掘り、縄張り内の巣穴の中で生活しています。基本的にペアか家族などの群れで生活します。
カップルで同棲、家庭を持って一軒家、二世帯住宅、大家族など、まるで人間のような暮らしをしているんですね。家族同士がだくさん集まり30、40頭の群れを作ることもあります。小鳥を捕まえる時は集団で狩りをしたり、子育てを分担して行うこともあります。
ただ人間と違うのは、一箇所の巣穴でずっと生活するわけではなく、獲物の分布状況によって巣穴をいくつも作り広範囲で生活します。
普段は何をしているの?
ミーアキャットは日光浴が大好きで、太陽が昇って暖かくなると巣穴から出て光を浴びます。十分にお腹など体を温めて日中だらだらします。うらやましい生活ですね。ただし、働かざる者食うべからず、もちろん狩りをして食べ物を獲ます。昆虫や小鳥、トカゲなどを捕まえたり、球根や果物、葉っぱなども食べます。
有名なのが「ライオン・キング」に登場するティモン。
実はこのティモンのモデルはミーアキャットです。作中常に二足歩行をしているのもミーアキャットが二足立ちをしているところから来たんですね。また、食いしん坊のプンバと一緒に虫を食べるシーンも出てきます。
まわりにエサが少ない時はヘビやサソリも食べ、地中の幼虫なども匂いで見つけ出すことができます。
なぜ立ってキョロキョロするの?
さて一番気になるギモンです。なぜなんでしょうか。
上で述べた昼間の日光浴が一つの理由です。ミーアキャットは夜になると巣穴の中に戻るので、太陽が出ている貴重な時間に小柄な体をせいいっぱい伸ばして、もっと光を多く浴びようとしています。
もう一つの理由は、ジャッカルやタカなどの敵を警戒し、岩の上などからより周りを見渡すためです。キョロキョロしているのは周りを観察しているんですね。小柄なミーアキャット。単独行動はせず集団で動く習性があるのも、みんなで敵を追い払うためです。
狩りが得意
小柄ながら”砂漠のギャング”とも呼ばれるミーアキャット。とても狩りが得意なんです。
食事中も何匹かは周りを見渡して敵がいないか観察しています。地中の虫を嗅ぎ分けるほど鼻が良いミーアキャットですが、視覚も優れていて敵を見つけるとグエ、グエと鳴いて仲間に知らせ、巣穴に隠れます。(意外とアヒルのような鳴き声!)
危険を知らせる以外に子供がしょっちゅう鳴きますが、親が狩りをして出かけている間自分はここにいるよと知らせるためだと言われています。子供の教育も抜かりありません。狩りの教育を徹底的にさせて、毒のあるサソリを狩れるまでになります。
しかし、フクロウやタカなど大きな鳥類は怖がり、すぐに巣穴に隠れます。
ミーアキャットと生きていく
飼うには
飼育するのは大変ですが、一度なつくととても甘えたがりで、その可愛らしさから日本でも飼う人が増えています。
珍しい動物なのでエキゾチックアニマル専門店などで会う事ができます。
また、犬のように甘噛みをしてじゃれ合うのが好きで、これをするのは信頼している証拠です。硬い岩の隙間や地面を掘ることができるほど強い爪を備えているので、家の中で飼う時は大切なものはなるべくしまっておいた方が良さそうですね。元々巣穴の中で生活する習性があるため、夜のためにケージを準備しておくのが良いでしょう。
サバンナなど温かい乾燥地で生息する動物のため、寒さにとても弱いです。部屋の温度は25~28℃を維持する必要があります。
もちろん日向ぼっこもさせてあげましょう。
何をあげれば良い?
昆虫や小鳥、トカゲを食べると述べましたが、お家でエサとしてあげるのはなかなか大変なのでドッグフード・キャットフードをあげましょう。リンゴ・バナナ・さつまいもなど果物や球根類も大好きなので、植物類もバランスよくあげましょう。
もともと夜は巣穴の中でひっそり暮らすため、基本的にメインで食べるのは昼間だけです。
つまり、野生の習性に従って育ててあげると間違いがありません。余裕があればオリジナルの巣穴を造ってあげたり、昆虫を小さな空間で放して捕まえさせるのも良いでしょう。(昆虫を部屋で放すのは難しいと思いますが)
寿命は?
10~15年ほど生きると言われています。その点では犬や猫と特に変わりなく、長い間家族の一員として共に生きていくことができます。
大変なところは?
●寒さにとても弱いため部屋の温度を25度前後にキープする必要がある
部屋の温度を維持するのに電気・ガス代がかかり、しかし寒すぎると生死に関わるため注意が必要です。
●部屋が傷つく・汚れる
巣穴を掘るための強靭な爪と、長く鋭い牙でなんでもかじってしまうので、しつけがきっちりできるまでは苦労をしそうです。また、元々砂漠に住むミーアキャットは砂浴びをして毛並みを整える習性があるため、砂場が必要です。夏場はベランダに置くなどできますが寒い時期は砂を部屋の中に置くことになるので当然床が汚れます。
●懐くまでに時間がかかる
トイレのしつけが大変で、縄張り意識が高いため色んな所で用を足してしまいます。
さいごに
いかがでしたか?ミーアキャットを飼ってみたくなりましたか?
なかなかエアコンや暖房をつけっぱなしにするのは大変ですが、これはミーアキャットに限ることではなく犬でも寒さに弱い犬種によっては同じことです。
一人暮らしの方は一人にしておくのはちょっと不安だと思いますが、懐くと自ら寄ってきたり引っ付いたりしてとても可愛いです。家に見てくれる人がいるのであれば一度検討してみてはいかがでしょうか。