「ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイホイ…」という独特の鳴き声のサンコウチョウ。
サンコウチョウは、スズメ目カササギヒタキ科に属する鳥です。
ここではサンコウチョウの鳴き声と飼育についてまとめます。
サンコウチョウの鳴き声
「サンコウチョウ(三光鳥)」の名前は、「ツキ、ヒ、ホシ」の鳴き声を「月、日、星」の三つの光の漢字に当てたものです。
大きさは、オスだと全長45cm、メスなら17.5cm程度となっています。
でもしっぽが長さに含まれているので、実際のオスの大きさはスズメくらい。
メスの場合は、身体としっぽが同じくらいの大きさの割合となっています。
サンコウチョウは、体の大きさやバランスでも性別が分かって良いですね!サンコウチョウの重さは、およそ17~22g程度です。
サンコウチョウの特徴
サンコウチョウのオスは、黒紫色の神秘的な色会いの被毛と水色のアイリングと(同じく)水色のくちばしが特徴的です。
背中は若干赤褐色で、お腹は白色になります。
頭には冠羽(かんう)と呼ばれる長く伸びた羽根があるのも特徴。
一方メスは、頭と胸が暗灰色のような黒色。背中としっぽは赤褐色をしています。
オスとメスで、色が若干異なるのも魅力の1つです。
サンコウチョウの生息地
サンコウチョウは、日本や台湾、フィリピンのミンダナオ島とバタン島に分布しています。
それが5月頃になると、本州から四国、九州、沖縄に渡来。
平地~低山のうす暗い林に生息します。
そして夏になると繁殖。秋には中国南部~スマトラへ渡り冬を越します。
サンコウチョウは、夏になると日本に来て繁殖をする渡り鳥です。
サンコウチョウの縄張り争い
美しいサンコウチョウは、日本に来てから縄張り争いを開始!
オスは、頭の後ろにある冠羽を逆立てて激しくさえずりライバルと戦います。
それに勝つと、ようやく繁殖の段階になります。
サンコウチョウの繁殖
サンコウチョウは5月下旬になると、葉っぱの無い樹上の細い枝に巣を作ります。
木はスギやヒノキを好み、あとは枝にクモの糸をうまく絡ませてお椀状に。
因みに「同じ母から生まれる数は3~5個」で、サンコウチョウは1日1卵ずつ産みます。
卵を産んでからは、両親で約12~14日ほど抱卵・孵化させていき、孵化後10~12日で小鳥は巣立ちます。
小鳥は、巣立ってからもしばらくの間は「両親と共に生活できる」ようです。
サンコウチョウは飼える?
サンコウチョウは、渡り鳥なので「飼育は難しい」とされています。
また美しい姿や三光鳥という神々しい名前から「飼育し続けることは良くない」という伝説もあります。
他にも、地域によっては「サンコウチョウが家に巣を作ると、家族に病気をもたらす」なんていう言い伝えもあるようです。
しかし、これらの伝説や言い伝えは、もともと「数が少ない美しいサンコウチョウを守るためのもの」と考えられています。
それでも「サンコウチョウを飼育したい!」という人は、野鳥輸入などを検討してみてはいかがでしょうか。
ペットとしてのサンコウチョウ
サンコウチョウの中でもカワリサンコウチョウは、(輸入の場合)28,000 円ほどで購入可能です。
サンコウチョウは「ハエやハチ、蝶などを捕食する昆虫食」なので、餌はミルワームや粉餌などを与えましょう。
餌付けが上手くいったら、定期的に昆虫も食べさせて健康を維持できるように整えてあげたいですね。
※昆虫は「栄養豊富な食事」になるので、昆虫食が難しい人は「サンコウチョウの飼育も控えた方が良い」でしょう。
基本的に、サンコウチョウの飼育は「野鳥飼育経験者が望ましい」とされています。
サンコウチョウの鳴き声「高音と低音のハーモニー」
出典:www.youtube.com
実際に「ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイホイ…」と言っているかは微妙なところですが、高音と低音の鳴き声が美しいサンコウチョウ。
私には「ピピ、ピ、ピピ、ピイピイピイ…」と聞こえるのですが、昔の人の想像力の豊かさは素晴らしいですね!
暗闇の中で美しい声が聞くことが出来たからこそ、「三光」の 字を当てることが出来たのでしょうね。
高い木々の間を飛ぶときには、長いしっぽをヒラヒラさせるのも魅力的です。
サンコウチョウをバードウォッチング!
野生では、姿を見つけても警戒心が強く、なかなか人の近くに寄ってこないサンコウチョウ。
性別言えば、雄の方が警戒心が強そうです。
そのため、カメラマンは長い望遠レンズを持参。
ひたすら木の葉陰にいるサンコウチョウの「シャッターチャンスを逃すまい!」と、カメラを向け続けます。
あちこち飛び回るサンコウチョウは、アイドルのような存在とも言えそうです。
サンコウチョウはどこにいる?
美しい鳴き声を聞かせてくれたかと思えば、すぐに他の場所へ飛んで行ってしまうサンコウチョウ。
そんなサンコウチョウは、本州より南の平地~低い山にある「うす暗い林」で観察できます。
※林は、落葉広葉樹林や杉林などを好みます。
あとは「ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイホイ…」の鳴き声をたよりに散策。
サンコウチョウは「1.5~数十mほどの木の高さにいる」ことが多いようです。
動物園でサンコウチョウを観察!
声はよく通るのに、うす暗い林のなかで姿は見えない…。
そんなレアな野鳥の観察のためには、みんなで情報を共有。
その上で2~3時間は森で待機していないと、なかなか見られないサンコウチョウ。
そんなレアな野鳥は、動物園等で観察するのも良いですね。
上野動物園などでは、夏になると観察可能になる場合もありますよ。
まとめ
人の様子をうかがって、なかなか人前に姿を現さないサンコウチョウ。
「(三光の当て字にふさわしいサンコウチョウの)美しい鳴き声を聴かせてくれた」かと思えば、すぐに逃げられてしまう…。
そんな警戒心むき出しのサンコウチョウは、現役カメラマンでも「撮ることが難しいレアな野鳥」です。
サンコウチョウを、バッチリ撮ることができたら自慢もの!
そんなアイドル級の野鳥を飼育したいという人は「飼育方法や餌、生活リズムなども勉強した上で購入する」ようにしましょう。
ケージは「窮屈過ぎないかどうか」などの問題も、1つ1つ確認してみてくださいね。