シベリアンハスキーは飼う環境が最も大事
毛がふさふさできりっとした顔立ちながら、愛嬌たっぷりで可愛らしいシベリアンハスキー。寒い地域の犬種であることが有名で、温かい地域では飼いにくいとされています。
シベリアンハスキーの出身地
別名は「アークティック・ハスキー」と言われ、「アークティック」とは英語で「北極の」という意味です。シベリアからカナダの北極圏一帯が原産地で、古くから犬ぞりの牽引によって重い荷物を運んだり、狩猟の手伝いをしたりと人間のサポート犬として役立ってきました。昔から人間に忠実だったんですね。
他にも北極地の探検隊と探検犬として同行したり、北極園で盛んであるドッグレースや犬ぞりレースで優秀な犬種でもあります。
また、アラスカのノーム市でジフテリア(上気道の粘膜感染症)が流行した際、ハスキー犬チームが氷点下50℃の過酷な寒さの中で544㎞という長距離間を血清輸送し、多くの人命を救ったという話が広まり、その名誉犬であるバルトの像が今もニューヨークのセントラル・パークに建てられています。
シベリアンハスキーとは
バランスの良い美しい体格と滑らかで柔らかい毛皮を持ち、狼を連想させる顔つきが人気を呼び、用務犬にとどまることなく世界で広まり、特に寒い地域のペットとして人気が高い犬種です。
寿命は平均して12~14年で、5~6歳までが成長期です。瞳の色が特に美しく、青色や灰色など宝石のような色味の瞳をしています。低い確率ですが、遺伝的に左右の瞳の色が異なる(「オッド・アイ」と呼ばれる)犬種もいます。
毛の色味はかなり違いますが、見た目は総合して狼に似ているため少し怖そうに見えますが、犬によってはとても友好的で人懐っこく、番犬には向かないとも言われるほどです。
シベリアンハスキーの特徴
●極寒の地域でそりの牽引をしていたことからも分かるように、耐寒性と持久力に優れており、長距離マラソンが得意です。
●好奇心が強く、いたずら好きで力持ちですが、一方的に本気で噛みつくことは少ないです。
●社会性が強く、群れで行動するのに慣れており、リーダー(飼い主)にとても忠実です。集団で生活をするのが得意で、子供や先に飼っている犬との相性も問題ありません。
●飼い主に対する構ってほしい・褒められたい欲が強く、我が強い面もあるのでしつけは根気よくする必要があります。
●広い北極地域で長距離を走り回れるほどの体力の持ち主なので、日々の運動も欠かせません。一日1時間以上の運動は必要不可欠なので、頻繁に散歩に行ける環境が必要です。
●構ってほしい成長期にしつけを間違える・運動不足・愛情が不足するとストレスが溜まり、人や他の犬に対して激しく威嚇することがあります。わがまま犬にならないよう十分に愛情を注ぐことが必要です。
シベリアンハスキー毛色の種類
白&黒
シルバー&白
赤&白
チョコレート&白
白
シベリアンハスキーを飼うための環境・注意点
子供との相性
子供との相性は問題ないと記述していますが、しつけ(特に成長期)をしっかりしなければ理由もなく吠えたり飼い主や子供を噛むこともあります。もし子供を噛んでしまった場合、本気で噛まなくとも肌の薄い子供にとっては深刻な傷になる可能性もあるので十分に注意が必要です。
これを避けるためには、早い段階で子供も家族の一員である事を教え込むことです。また、一緒に小動物や小型犬を飼う場合も同じです。
必要な環境
最も注意しなければならないのが、飼育環境の気温です。極寒に耐えられる厚い脂肪と体毛を備えており、暑さにはとても弱いため、涼しい場所、冷房設備、冷却グッズを揃えるなどなるべく涼しい環境でいられるような配慮が必要です。夏場の散歩も早朝や夕方以降に出掛けるなどし、炎天下の元に放置しないようにしましょう。しびれを切らすと過ごしやすい環境を求めて家出をしてしまうかもしれず、保健所に保護され、ゆくゆくは殺処分、という事にもなりかねません。
脱走癖
上記で述べたように飼う上で様々な注意点がありますが、うまくしつけができない・適した環境がないと見切りをつけると、狼のように状況判断力が優れたシベリアンハスキーは、より良い環境を求めて脱走する癖があると言われています。
飼う前にしっかり相手をしてあげられる・一緒に散歩に行ける時間を作れるかどうかもう一度考えましょう。ハスキーにとって一番の良きパートナーになることです。
意外とおおざっぱな性格
犬ぞりの牽引役として大いに活躍したハスキー、走り出したら最後、リーダーがストップをかけるまで後ろを振り返らずひたすら走ることが身に付いているので、一度脱走すると迷子になり、おおざっぱで細かい事を気にしないため、そのまま迷子になった先に住み着いてしまい、帰ってこなくなることも。迷子札を常に付けておくのが良いかもしれません。
しつけは簡単ではない
幼稚園児のように、好奇心が旺盛で集中力が長時間保てない一面があります。無理にしつけたり叱ったりするのではなく、シベリアンハスキーのペースに合わせてあげましょう。
飼い主に構ってほしいのはどの犬も同じ。何よりも心から愛情を注いであげるのが一番です
抜け毛が多い
暑さに弱いので、東北地方や北海道でないかぎり夏場は室内飼いになります。しかし、抜け毛がとても多い犬種です。頻繁なブラッシングと掃除機がけが必要になります。
さいごに
ワイルドな見た目とは裏腹に甘えん坊なギャップが人気のシベリアンハスキー。ですが飼育環境が限られている、しつけが難しいなど、飼う上で様々な困難があります。気温の低い東北・北海道地方(それも土地に余裕のある広々とした環境)で飼育するのが理想的ですが、最低限飼育環境が整っていればあとは愛情をいかに注げるかです。
家を空ける時も「今日は少し暑くなりそうだからエアコンをつけて行こう」などという、犬への少しの配慮が犬自身にも伝わります。犬が一番求めているのは飼い主の愛情なのです。
一人で面倒を見るのが難しそうであれば家族で協力して、代わるがわる家で面倒を見たり散歩に行くのがおすすめです。
一度家に迎えれば、その可愛さに愛情を注がずにはいられないでしょう。