琵琶湖淀川や濃尾平野、和歌山県紀ノ川、福井県三方湖に広く分布しているぼてじゃこ。
コイ科の仲間で、タナゴのことを指します。
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ぼてじゃこ(タナゴ)は、どのように飼育すると良いのでしょう。
ぼてじゃこ(タナゴ)とは
ぼてじゃこ(タナゴ)とは、タナゴ亜科魚類の魚です。
全長8cm程度のコイ科の仲間は、日本固有種で、関東地方から北の太平洋側に生息しています。
絶滅危惧種に指定されているぼてじゃこは、平野の傍にある流れの緩やかな河川・池沼に生息。
日本に生息するタナゴ類は十数種類で、主な種類はヤリタナゴ、アカヒレタビラ、アブラボテ、ニッポンバラタナゴなどがあります。
ぼてじゃこ(タナゴ)と外来種
人気の淡水魚ぼてじゃこ(タナゴ)は、色鮮やかな婚姻色に二枚貝へ卵を生みつけることでも有名。
しかし観賞用のタナゴは、アジア大陸東部や台湾島原産のタイリクバラタナゴです。
タナゴは基本的に湖や池、水草が生い茂っていて水の流れの少ない河川の下流・止水域に生息しています。
ぼてじゃこ(タナゴ)は雑食性
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ぼてじゃこ(タナゴ)は雑食です。
動物性のアカムシやイトミミズ、ミジンコから、植物性の柔らかい水草やアオミドロといった藻類を好んで食べています。
飼育下ではバランスよく与えて、ある程度大きくなったら植物性の餌を多く与えると良いでしょう。
ストレスのない環境で育てられれば3~5年程度生きてくれます。
ぼてじゃこ(タナゴ)と水槽
ぼてじゃこ(タナゴ)は容量約35L、45cm幅以上の水槽がオススメ。
タナゴには小型・中型・大型の種類がいて、最大で15cm程度になります。
タナゴの中でも、小型種のカゼトゲタナゴなら(1匹当たり)2~3L、中型種のアブラボテなら5L、大型種のカネヒラやヤリタナゴになると10L以上の水が必要です。
2~3匹ずつのカネヒラのペアは幅60cmの水槽で飼育できます。
ぼてじゃこ(タナゴ)とフィルター
ぼてじゃこ(タナゴ)のフィルターには、外掛け式フィルターや上部式フィルター、外部式フィルターなどでバクテリアを繁殖。
バクテリアと聞くと悪いイメージがありますが、水槽内バクテリア(ろ過バクテリア)とは「アンモニアを分解する真正細菌」のことです。
「外掛け式フィルター」は(20L前後の)小型水槽向き。
45~60㎝の水槽なら「上部式フィルター」または「外部式フィルター」がオススメ。
エアーポンプで稼働する安価な「投げ込み式フィルター」は、エアーで水流を作り、スポンジの隙間に通水させて生物ろ過できます。
ぼてじゃこ(タナゴ)と兼用フィルター
ぼてじゃこ(タナゴ)の飼育には、以下のようなフィルターの兼用もおすすめ。
●「スポンジフィルター」とは、スポンジの目に通水させて生物ろ過・物理ろ過。水槽内の糞やごみも吸着できます。
●「底面式フィルター」は、水槽内の底に設置。その上に底床の砂・ソイルを敷いて「底床をろ材」にしたものです。
これらも兼用することで、初心者でも飼育・管理が楽になります。
ぼてじゃこ(タナゴ)と水温
ぼてじゃこ(タナゴ)に使用する水は20℃前後です
水温5℃~30℃であれば安心。夏は涼しい場所に移動。暑い日には水槽用冷却ファンも使用して水温30℃以下に保ちます。
二枚貝も飼育したタナゴの繁殖は、水槽用クーラーなどを使って水温20℃~25℃に保ちましょう。
水槽の大きさやフィルターの能力、魚の匹数などによって水換え回数は違ってきますが、
水換えは1ヶ月に2回を目安に30%程度をかえます。
急激な水温の変化を避けて、冬の寒い時期にはヒーターを使って15℃以上に保てるようにしましょう。
ぼてじゃこ(タナゴ)と産卵行動
ほとんどのぼてじゃこ(タナゴ)は、春産卵なので水温が20℃以上になると産卵行動を起こします。
産卵行動が見られたら、早めに40~45cnの水槽に移しましょう。
水槽には、底面式フィルターと(5~10cmの)ソイル・セラミック、田砂底砂などの底砂を用意。
最後に二枚貝を5~10個入れて、産卵水槽の準備をしましょう。二枚貝はメス1匹に対して2~3個が目安です。
ぼてじゃこ(タナゴ)と産卵水槽
ぼてじゃこ(タナゴ)のメスは、糞のようにみえる産卵管を出します。
産卵水槽には、オス2匹と(産卵管の出ている)メス3匹を入れて相性をみましょう。
産卵水槽に入れてから20日程経過したら、親タナゴを飼育水槽に戻します。
稚魚に関しては30日間程静かに見守りましょう。
稚魚は産卵水槽で育てても大丈夫です。稚魚は受精後23~30日程で浮上してきます。
ぼてじゃこ(タナゴ)は昼行性
ぼてじゃこ(タナゴ)は昼行性です。
夜の暗い環境では、タナゴの成長から鑑賞用の色揚げ、水草の育成にも影響します。
予め照明を用意して、1日8~10時間を目安に点灯。
自然界の太陽のサイクルも意識してあげたいですね。
ぼてじゃこ(タナゴ)と水草
水草には、比較的丈夫なアナカリス(オオカナダモ)やマツモ、カボンバなどがあります。
カネヒラなどのタナゴは草食性が強いので栄養源のある水草をよく食べます。
草食性が強い子には、水草もこだわってあげたいですよね。
ぼてじゃこ(タナゴ)と飼育セット
ぼてじゃこ(タナゴ)飼育セットは10,000~15,000円で、その他には水槽用クーラーが必要です。
電気代やエサ代は月1,000円前後で済むので、初期費用だけ用意できると良いと思います。
日本のタナゴは、外来種のタナゴの繁殖により自然界から絶えつつあります。
保護が必要なぼてじゃこ(タナゴ)は、自然のぼてじゃこではなく、販売されている養殖タナゴで水槽飼育できると良いですね。
まとめ
意外にも、日本のぼてじゃこ(タナゴ)が絶えつつある昨今。
タナゴ釣りで釣れるものは外来種が多いようですね。
そんなぼてじゃこ(タナゴ)の飼育では、生態系に影響を与えないように外来種や養殖の子を育てた方が良いでしょう。
水温調節は難しいですが、食欲不振、泳がない、水槽内にコケが増える、水面が泡が立つようなら直ぐに水換えをしてろ過バクテリアや水質浄化材を入れましょう。