後ろ足の根元がふくれる鼠経(そけい)ヘルニア。
鼠径(そけい)ヘルニアとは、コーギーもかかる可能性がある病気です。
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鼠径ヘルニアとは、どのような病気なのでしょう。
鼠径(そけい)ヘルニアとは
鼠径ヘルニア(そけいヘルニア)とは、子犬に多いと言われている病気です。
※鼠径(そけい)とは、太ももの付け根部分のことです。
鼠径ヘルニアとは、太ももだけの病気では無くお腹の臓器とも関係があります。
コーギーの鼠径(そけい)ヘルニア「臓器」
犬のお腹の臓器は、腹膜という膜によって包まれています。
心臓や肺は、背骨や肋骨によって守られていますが、他の臓器に関しては筋肉や筋膜によって守られているのです。
コーギーも含め、犬は四つん這いの姿勢なので、臓器は背骨から下にぶらさがっているような状態になっています。
加えて腹部・腹腔にある臓器は、食事や呼吸をするにも圧力がかかります。
すると、臓器を守る腹腔、その腹腔を守る筋肉との間に隙間ができると臓器が足の付け根部分に押し出されてしまうことがあります。これが鼠経(そけい)ヘルニアです。
鼠径(そけい)ヘルニア「確かめる方法」
※ヘルニアとは、 ラテン語の(hernia)が語源で「脱出」を意味しています。
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お腹の状態が、太ももの付け根にも影響を与える鼠径(そけい)ヘルニア。
鼠径(そけい)ヘルニアとは、簡単に言うと「臓器が本来収まっているところから出てきて、鼠径(そけい)部にはまる病気」です。
「鼠径(そけい)へルニア」かどうか、確かめる方法には以下のようなものがあります。
・太ももの付け根やその周辺に、しこりや膨らみがないか
・鼠径部を触ると痛そうにする
以上のような仕草が見られるときには、早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。
鼠径(そけい)ヘルニア「かかりやすい犬種」
鼠径(そけい)ヘルニアにかかりやすい犬種は以下の通りです。
・ミニチュアダックスフンド
・ミニチュアピンシャー
・ポメラニアン
・チワワなど
コーギーも例外ではありません。
コーギーの鼠径(そけい)ヘルニア「原因」
コーギーの鼠径(そけい)ヘルニアの原因にも、先天的な要因と後天的な要因があります。
つまり鼠径(そけい)ヘルニアの原因は「遺伝などで生まれつき鼠径部に問題がある」
または「虚弱体質や肥満、また事故による外傷や出産での内臓への圧力とダメージ」などがあります。
ただ、今でもハッキリとした原因は分かっていません。
コーギーの鼠径(そけい)ヘルニア「症状」
鼠径(そけい)ヘルニアの症状には以下のようなものがあります。
初期:鼠径部に小さな膨らみを確認
指先で押すことができる程の小さな膨らみです。このとき病院にかかると10ヶ月程度のの経過観察が必要になることが多いです。
進行後:膨らみは大きくなり、腹部・腹腔の周りの筋肉にできた隙間が広がる。
これにより小腸や膀胱も鼠径部にはまり込んでしまいます。
コーギーの鼠径(そけい)ヘルニア「悪化」
鼠経(そけい)ヘルニアは、隙間が大きくなるにつれて臓器の働きも悪くなります。
その臓器が「腸」なら腸閉塞の症状を起こし、腸が締め付けられることで「ヘルニア部分が赤みを帯びる」「熱がこもる」こともあります。
このとき、ヘルニア部分を押しても初期症状のときのような反発力はありません。
臓器はヘルニア部分いっぱいに入り込んでいるので、ただただ痛いという感じです。
コーギーの鼠径(そけい)ヘルニア「体の不調」
犬の鼠径(そけい)ヘルニアは、入り込む臓器によって症状が異なります。
例えば、小腸なら「元気がない、食欲の低下、嘔吐や下痢・便秘の症状」また腸閉塞をひき起こすこともあります。
膀胱の場合は、排尿が困難になることで、やはり「食欲の低下や嘔吐」などの症状がみられます。
それと共に、臓器が戻らないときには痛みを伴います。
それを放っておくと臓器への血流の状態も悪化して壊死してしまうことがあるのです。こうなると体の不調を引き起こして、最悪の場合死に至ることもあります。
コーギーの鼠径(そけい)ヘルニア「治療」
鼠径(そけい)ヘルニアの治療は、ヘルニアが小さいときは経過観察。
ヘルニアが悪化した場合は、外科的手術が必要になります。
また、肥満などによってヘルニアのが進行すると分かる場合も手術が求められます。
また妊娠の予定がある子に関しても外科手術が必要です。※妊娠時や子宮蓄膿症では、子宮が飛び出すこともあるようです。
コーギーの鼠径(そけい)ヘルニア「治療」
鼠径(そけい)ヘルニアの外科的治療では、腹腔と筋肉の間の隙間をふさぎます。
避妊手術や去勢手術と同時に鼠径(そけい)ヘルニアの手術をすると、全身麻酔の回数を減らして愛犬の体の負担も軽減させることができます。
また、麻酔の回数が減り、同時に手術できるので料金の負担も軽く済みます。
コーギーの鼠径(そけい)ヘルニア「手術」
鼠径(そけい)ヘルニアは先天的な理由か、後天的な理由かによって手術費用が異なります。
一般的には、血液検査や入院費用で3万~10万円になります。
手術費用は避妊手術や去勢手術と同時に行うと避妊手術代に5千円程度上乗せされると言われています。つまり35,000円~50,000円程かかります。
※費用は、地域や動物病院によって異なります。
後天的理由の場合は、ペット保険で費用を抑えることもできます。
コーギーの鼠径(そけい)ヘルニア「予防」
鼠径(そけい)ヘルニアはとは、予防が難しい病気です。予防法には以下のようなものがあります。
・食後の激しい運動は控える
・犬同士のケンカに注意
・散歩中の事故にも気をつけるなどがあります。
これらに気を付けることで腹圧の高さも予防できるのです。
ただ予防は難しいので、何よりも早期発見と早期治療が大切です。
まとめ
出典:corgicottage.blog.so-net.ne.jp
鼠径(そけい)ヘルニアとは、成犬でも発症する病気です。
コーギーを家に迎えてすぐに鼠径(そけい)ヘルニアになっても、成長過程で筋肉が発達しヘルニアが自然に治る子もいます。
まずはお近くの獣医師さんに相談して、治療の流れを確認しましょう。
愛犬とは、普段からスキンシップをたくさんとって病気を予防することも忘れないようにしましょう。