逆くしゃみとは「発作性呼吸」のことです。
小型犬・短頭種によくみられます。コーギー(ウェルシュ・コーギー)にも見られる現象です。
コーギーも出る「逆くしゃみ」とは
逆くしゃみとは「くしゃみを連続して吸う」ような現象のことを言います。
くしゃみは、体内から空気を押し出す一方で「逆くしゃみ」は体内に吸い込みます。
若いうちから出始めることが多いです。
ほとんどの場合は継続して起こりますが、年を取るにつれて少しずつ消失することもあります。
ウェルシュ・コーギーも、顔を前後に揺らして「ガフガフ」と逆くしゃみをすることがあります。
コーギーも出る「逆くしゃみの持続時間・頻度」
人がくしゃみをするときには目をつぶりますが、犬の「逆くしゃみ」の場合は目を開けたまま鼻で吸うように逆くしゃみをします。
逆くしゃみは、昼寝・ご飯の前後や遊んでいる時にも出ます。
1度出ると逆くしゃみは数秒~1分続き、また複数回繰り返すことが多いです。
1日に何度も出ることがありますが、気絶や病気の前触れ・命の心配もありません。
とはいえ可愛いコーギーの逆くしゃみもどうにか止めてあげたくなりますよね。
コーギーにも必見!逆くしゃみの「止め方」
逆くしゃみが長く続いて苦しそうな時には「鼻を軽く塞いであげる方法」もあります。※口は塞がないようにしましょう。
他の方法には、コーギー自身で唾をのみ込むことで逆くしゃみを止めることが期待できます。
●飼主さんはコーギーの鼻をふーっと吹いてあげると、鼻が渇いた反動で唾液が促されて唾をのむことができます。
●舌を触ってあげるだけでも同じように効果があります。
一緒にのどや胸を撫でてリラックスさせてあげましょう。
逆くしゃみは「ツボを刺激する」
逆くしゃみに効果的なツボには膈兪(かくゆ)があります。膈兪はペットを横にした時の肋骨にあります。
肋骨の中でも、お尻に一番近い肋骨と隣の肋骨の間が肋間(ろっかん)です。
その肋間を、頭の方の肋間に向かって数えていくと第6肋間目に膈兪があります。
第6肋間目の中でも、膈兪は横にした時の肋骨のカーブで一番高いところにあります。(骨の「カーブの高さ」でツボの場所を特定しますが、マッサージするのは肋間です)
優しくゆっくりと押してあげましょう。
コーギーにも必見!「ツボの押し方」
大型犬であれば親指で刺激してあげられるものの、小型犬になると肋間も狭いため綿棒で優しく押してあげると良いです。
押し方は3秒押してそのまま3秒キープ、3秒かけて指をゆっくり離します。(計9秒)
親指でツボを刺激して、他の指は体に添える程度にします。
コーギーの場合も、肋間のサイズに合った(比較的丸い形状の)ものでゆっくりと刺激してあげましょう。
コーギーにもおすすめ!逆くしゃみには「におい」も有効
大好きなお菓子や餌の匂いも唾液を促すことに繋がります。
他にもペットが好きな香りをかがせても良いですね。リラックス効果も高まります。
●「驚かせる」ことも有効
直接びっくりさせる必要はありませんが、カメラのシャッター音等は「何の音だろう?」と興味をそそられますよね。
このように適度に驚かせる・興味を持たせるものがあると、逆くしゃみも自然に止まることがあります。
間違いやすい「気管虚脱」とは
逆くしゃみと間違えやすいのが気管虚脱です。気管虚脱も、逆くしゃみのような症状がみられます。
興奮しているときやお散歩中で首輪をしているときには、特に頸部が圧迫されることで呼吸困難やチアノーゼ(酸素が欠乏している状態のこと)が見られます。
コーギーはほかの種よりも強く呼吸をしているので呼吸困難やチアノーゼは特に苦しいものになります。
10分以上続く場合は、気管虚脱を疑う方が良いでしょう。
※ただし15分以上逆くしゃみが続く子もいます。
知っておきたい「気管虚脱」とは
気管虚脱とは気管が変形・押しつぶされたような形になって、うまく呼吸ができなくなることです。
気管虚脱になると、咳・呼吸困難の症状がみられるようになります。※吐き気を伴う事もあります。
中・高年期の犬、トイ種、特に肥満傾向のある犬が発症しやすい病気です。※コーギーを飼う上でも知っておきたい病気です。
気管が変性しやすくなると発症率が上がります。
一度変形すると元に戻らない為、治療では悪化させないように薬で安定させます。
コーギーも注意!「気管虚脱」の原因とは
気管虚脱の原因には、大きく先天性の異常・肥満・犬の種類・呼吸器や心臓の疾病が考えられます。
食事の面では、100%肉のフードばかりを与えている(栄養の偏り)ことで肥満になると気管が脂肪で圧迫されて変形することがあります。
短頭種は鼻の気道が狭く、首・胸も詰まった体型をしていることから、強く呼吸をする必要があります。それで胸部に負担がかかり、気管の周りの軟骨が変形して気管虚脱を発症してしまうのです。
コーギーの場合も首・胸も詰まった体型をしているので、気を付けたい病気ですね。
心臓疾患・慢性気管支炎では、咳のし過ぎ・過呼吸により気管の周りの軟骨や筋肉、その他組織が変形・破壊されることで発症することがあります。
コーギーも注意!心不全・気管支の病気
お年寄りになってからの逆くしゃみのような症状は、病気の可能性が高くなります。
特に鼻水・よだれ、白目をむく症状がみられるときには心不全や気管支の病気が考えられます。
高齢のコーギーの場合も同様に、逆くしゃみのような現象が見られたときには動物病院で診てもらいましょう。
コーギーの「逆くしゃみ」の動画
動物病院に連れて行っても、診察してもらう時にその症状を見せられなければ意味がありません。
結局「あの症状はなんなのだろう」と疑問が残りますよね。
体を診察して「病気」か「健康体か」が分かるだけでも安心感はありますが、症状を把握するためにも動画を取りましょう。
症状は複数回みられることが多いので、携帯・デジカメ等を用意しておきましょう。
youtubeでは「コーギーの逆くしゃみ」の動画を見ておくと参考にできます。
コーギーの逆くしゃみは「熱中症」にも注意
逆くしゃみの症状自体は悪いことではないものの、比較的長く続く時には熱中症の危険性にも繋がります。
呼吸がうまくできないと体調・体温の調整にも影響を与えるのです。
比較的長く続くようなら、体力を消耗させることにもなります。コーギーには特に辛いものになるでしょう。
夏の暑い日は特に風通しの良い場所に移動させたり、エアコンで室温を管理してあげましょう。
さいごに
小型犬・短頭種以外でも、逆くしゃみの症状が出ることが分かりました。
全ての犬に必ずみられる症状ではないので不安にある方も多いようです。しかし病気というよりは、しゃっくりのような「自然な現象」という認識です。
ただし高齢のウェルシュ・コーギーであったりその他の症状が見られるときには獣医師さんに診察してもらいましょう!