愛するペットが亡くなったとき、飼い主さんは喪失感でいっぱいになることがあります。
この状態をペットロスといいます。ペットロスは正常な反応ですが、長引くとうつ病にもなりかねません。
そこでペットロスを受け止めるためのステップについてまとめたいと思います。
ペットロスとは
ペットとの死や別れを受け入れられていない状態のことです。
身近な人が亡くなったときにも、最初は死や別れを受け入れられず悲しい思いをします。
しかし火葬が終わってから初七日・四十九日、1回忌・3回忌と時が経つにつれて受け入れていきます。
ペットの死も同様です。一方で悲しみが大きいときには、ペットの死を受け入れていれるプロセスが必要になることもあります。
ペットロスの症状とは
身近な人が亡くなった時、私達は何日も落ち込みます。
身近な人、お世話をしていたペットほどショックも大きいです。
精神的な問題では、悲観的な状態が継続することで不安・集中力の減退、孤独感・罪悪感、パニックの症状を引き起こすこともあります。
中には死んだはずのペットが見えるようになる人もいるようです。
ペットロスのチェックリスト
ペットロスの症状には以下のような物があります。※誰でも経験するものです。
・涙が頻繁に出る
・孤独感や不安感
・疲労感がある
・喜怒哀楽の感情の変化が乏しい
・やる気の減退
・腹痛や頭痛等の身体症状がある
・お腹は減っているのに食欲がわかない
・自責の念に駆られる
・物事や人を責める
・ペットの姿が見える、声が聞こえる
ペットロスの身体的症状
ペットロスでは、悲しみが大きいと身体的にも様々な影響を与えます。
涙が頻繁に出て、食欲不振・過食に走り、不眠・睡眠障害、下痢・腹痛・頭痛、吐き気、倦怠感、めまい等の症状がでることがあります。
これらの症状が長引く時にはカウンセラーに相談するようにしましょう。
ペットロスを受け止めるステップ
例えば「重い病を患っている」「ペットが年老いている」となるとある程度「死を受け止める準備」も必要になります。
その結果、最善を尽くしても「もっと良い治療法があったのではないか「良かれと思った治療で苦しませてしまっただけなのではないか」と自分を責めてしまう人も多いです。
元気だったペットの場合は特に「どうして亡くなったのだろう」とショックを隠せないこともあるでしょう。
人でもペットの死でも、どれだけ最善を尽くしても後悔は残ります。しかしペットのことを考えると「かわいそう」は逆効果です。
ペットも飼主さんの笑っている顔が見たいでしょうし、ペットは「楽しい思い出」を思い出してほしいはずです。
ペットロス受け止めるステップ「否定」
いくら「死が間近」だと分かっていても、その真実を受け止めるには時間がかかります。
それでも飼主さんが死を受け止められないときには「死んでいない」と死を否定することも。
心理的には、これにより自分が受ける精神的ショックを和らげるのです。
こうなると火葬に踏み切れない、古くなったペットのグッズも処分できないことがあります。
ペットのグッズは無理に捨てる必要はありませんが、ペットが亡くなったという事実だけは少しずつ認めていきたいですね。
ペットロス受け止めるステップ「交渉・怒り」
死んだ人・ペットは、いくら願っても戻ってこないのが現実です。
それでも、神様に「ペットを返してください」ペットにも「私が○○を我慢する・なんでもするから戻ってきて」と交渉します。
しかし、結局生き返ることは無いので「私が悪いんだ」「家族の○○のせいだ」「獣医師さんに殺された」と怒りを露わにするのです。
ペットの死への後悔の矛先が、物事や人のせい・自分のせいになります。
ペットロス受け止めるステップ「受け入れ」
怒りが収まると、やっとペットの死を受け入れる準備が整ってきます。
しかしペットの死は受け入れても、自分の孤独感・喪失感が無くなるわけでも無く、悲しみ・苦しみが尾を引きます。
そしてネガティブな感情ばかりが積もっていくのです。
ペットロス受け止めるステップ「受容」
ペットのことを忘れることでもなく悲しみ・苦しみも受け止め、ネガティブな感情よりもペットの生活がより良いものであったことを思い出します。
亡くなった時には悲観的な気持ちでいっぱいになりますが、心の引き出しには嬉しかった出来事、楽しかったこと・喜んだ思い出もたくさんあるはずです。
その思い出をたくさん振り返って、日常の生活にも適合させていきましょう。
ペットロスを受け入れる行動の例
ペットロスを受け入れる行動には以下のようなものがあります。
・涙を流す
・食事は三食しっかりとる
・横になって休養をとる
・ペット火葬・供養をする
・ペットの遺影を飾る
・ペットのグッズを整理する
・家の雰囲気を変えてみる(模様替え)
・ウォーキング等の軽い運動をしてみる
・趣味をしてみる
・友人とおしゃべりをしてみる
ペットロス経験後
ペットロスを経験した飼主さんは「先にペットが死んでしまうならもう飼わない」「亡くなったペットに悪いからペットは飼わない」と思うことがあります。
しかしペットは私たちの生活を豊かにしてくれる存在です。
飼う・飼わないは自由ですが、他のペットのことは同じように優しい気持ちで向き合いたいですね。
ご供養をする
ペットの火葬では個別で供養・合同供養をしてくれるところもあります。
もちろん火葬後の供養でも大丈夫です。
自分を責めたり、人を責めてしまう、…そんなときにはお寺で供養しながら自分の気持ちを整えるのもいかがでしょうか。
お骨はご先祖様のお墓に一緒に埋葬するのか、ペット用のお墓に埋葬するのか、家に埋葬するのか、仏壇で保管するのかも考えてみましょう。
ペットのメモリアルグッズ
アパート暮らしをしている人は特に、毎日のペットのご供養の場所で悩むことがあります。
しかし人間用の大きな仏壇を揃えるのは大変です。
でもペット用の仏壇・メモリアルグッズは、コンパクトで仏壇を思わせない可愛らしい物ばかり。
ある程度、ペットの死を受け入れられたらペット用のメモリアルグッズもみてみたいですね。
まとめ
ペットの死の受け止め方も、人と同様に「死を受け止めるステップ」があることが分かりました。
死に対しては「否定・交渉・怒り・抑うつ・受容」のステップを必ずふみます。
なかなか認めることができない時には、気持ちの寄り道をしながら少しずつ認められたら良いですね。