犬?キツネ?フェネックってどんな動物
フェネックとは
フェネックの生態
その見た目は犬にもキツネにも見えるフェネック。フェネックはイヌ科キツネ属で、フェネックギツネとも呼ばれます。
多種多様な動物が登場するディズニー映画「ズートピア」でもこのフェネックが登場しています。
キツネのニックの相棒である「フィニック」はフェネックがそのままモデルになっています。
フェネックは砂漠に生息し、家族の群れで生活をします。日中巣穴から出てきて日向ぼっこをすることもありますが、基本的には夜行性です。砂地に掘った深い巣穴の中で暑さや寒さをしのぎます。
雑食で好き嫌いがあまりなく、様々なものを食べます。小さい哺乳類や鳥、卵、爬虫類、昆虫、葉っぱ、果実などです。砂漠に住むことから生態的に喉の渇きには困らず、水分は植物から摂る事が主です。
野生のフェネックの寿命は10年ほどで、ペットとして飼うと最大で12年ほど生きるものもいます。
フェネックの特徴
体長は30~40cmほどで、尻尾もキツネのようにふさふさで長く、しかし体重は1~2kgととても軽いです。寒暖差の激しい砂漠地帯に生息するフェネックは、全身のやわらかい体毛で体温を保ちます。
一番の特徴は、目立つ大きな耳です。耳のサイズは8~15cmととても大きいです。耳は熱を放射し、砂の中にいる獲物を探すレーダーの役割を果たしています。
足の裏まで体毛があり、砂場を歩くのに適しています。
フェネックと人間
既にペットとして飼育されているフェネックは多く、飼育方法は犬とさほど差はありません。近年ペット流通のために野生のフェネックが捕獲されることが増えていますが、今のところ絶滅危惧種には登録されていません。
しかし1999年頃問題になった狂牛病ウイルスが原因でニューヨークでのフェネックの飼育は禁止されていますが、その他の州では許可されています。
日本での飼育も問題はありません。
実際に飼うには
動物園に行って観察
まずは実際に動物園に行って自分の目でどんな動物か、どんな仕草をするのかを見てみましょう。
日本でフェネックを飼育している動物園は
- (岩手県)盛岡市動物園
- (東京都)井の頭自然文化園
- (千葉県)市川市動植物園
- (愛知県)東山動物園
- (京都府)京都市動物園
などです。
もし行くのであれば、フェネックを担当する飼育員の方に直接話を聞いてみるのも良いでしょう。
また、珍獣ペットショップへ取り扱いがあるか問い合わせてみて、ペットショップでの飼育方法も見てみましょう。
飼う時の注意点
飼いたいと思って勢いで飼い始めてから、やっぱり無理だと見捨ててしまうことのないよう、犬や猫とは違う注意点を抑えておきましょう。
- フェネックを飼う人を日本であまり見ない理由の一つは、その値段です。ペットショップでは100万円前後で取引されています。そのため金銭的な余裕が必要になります。
- 前述どおりフェネックは砂漠の生き物なので寒さや湿気にはとても弱いです。冬場は室温の調整が必須になります。夏場は除湿に気を遣ってあげましょう。
- 夜行性のため夜にガサガサと動き回ったり鳴き声をあげたりします。そのため近所の迷惑にならないよう防音性にも気を付ける必要があります。
- トイレのしつけが難しい生き物なので、家のあちこちでおしっこやうんちをしてしまう可能性があります。根気強くしつけをしながら、してしまった後は速やかに処理をしましょう。
エサや飼育方法
イヌ科のフェネックにはドッグフードまたはキャットフードを与えれば十分な栄養を摂ることができます。基本的には犬と同じで果物や野菜を食べさせたり、水飲み場を設置したりすれば大丈夫です。野菜であればキャベツ・カボチャ・人参・えんどう・コーン・ブロッコリー・トマト、果物ならリンゴ・みかん・イチゴを混ぜて与えればよいでしょう。
また、ペット用煮干しやササミも好きそうであれば与えましょう。
犬が食べられないもの(ネギ類・チョコレートなど)は同様にあげないようにしましょう。
散歩は必要あるのでしょうか。まずフェネックは運動量が多い生き物なので、お家の中では広めのゲージを用意し、人がいる時は部屋に出してあげて自由に動き回れるようにしましょう。砂漠の生き物であることから、専用の砂場を用意してあげるのも良いです。
臆病な性格から人や犬・猫が行き来する道での散歩は難しいかもしれません。それでもずっとゲージの中や狭い家の中にいるとストレスが溜まるので、首輪やリードに徐々に慣れさせておき、毎日でなくてもたまには広い公園や河原など人気がないところでリードをつけて遊ばせましょう。
また日光浴が好きなので、お昼間の暖かい時に人のいない公園で日向ぼっこをさせたり、野生の習性である土堀りをさせてあげるのも良いでしょう。
気をつけたい病気
動物病院は珍獣のため経験・前例が少なく診察をできないという理由で断られることが大半です。飼い始めに、もしもの時のため近くでどの病院が診察を受けてくれるのか事前にチェックしておくのがおすすめです。また、受け入れてもらえたとしても治療費が高額になることも覚悟しておきましょう。
しかしフェネックがどんな病気にかかるのかなどはまだ不明な点が多いですが、犬がかかりやすい病気はフェネックもかかりやすいです。
念のため、犬と同じように犬用のワクチンやフィラリア予防接種をしてもらいましょう。予防注射でなく予防薬の方が負担が少なくおすすめです。
さいごに
ここまでで、犬や猫に比べてフェネックを飼うには金銭的余裕・気持ち的余裕が必要であることが分かりました。金銭的な余裕があったとしても、飼育の難しさから初めてペットを飼う方には向いていないかもしれません。排泄のしつけ方法なども下調べをして、根気強くしつける必要があります。病気になった時のことも心配ですが、その可愛い見た目にどんなこともしてあげたい、乗り越えたいと思えるはずです。
様々な注意点があると述べましたが、実際に飼育している人は世界中にいます。どのくらい懐くか、しつけができるかには個体差がありますが、飼育している人の話を聞いてアドバイスをもらうのは強い励みになるでしょう。