健康に良いもの、口にしてはいけないもの
犬を飼うなら、最低限の知識として犬が食べて良いものと悪いものを知っておく必要があります。
飼い主さんが気を付けてあげないと生命の危険に関わることもあります。
犬の身体に良いもの
人間でも身体に良い、ダイエットに良いと話題になる食べ物が様々ありますが、犬にとっても体に良いもの、悪いものがあります。
これから犬を初めて飼うなら押さえておきたいですし、既に犬の飼い主だが知らない物もあるかもしれませんので、今一度確認が必要です。
全部覚えるのは難しいかもしれないので、最低限食べてはいけないものだけでもいくつかは覚えておきましょう。
※食べてはだめなものによる危険値・症状を引き起こす割合は犬によって個体差があります。
ゆで野菜(ネギ類以外)
緑黄色野菜(カボチャ、キャベツ、にんじんなど)はビタミンC・カリウム・食物繊維をたくさん含んでおり、人間同様犬の身体にも良い食べ物とされています。野菜は生の方が栄養素がそのまま体に入ると言いますが、犬にとっては茹でたものの方が食べやすく、消化がしやすいです。(老犬ならなおさらです)
食物繊維はお通じをよくし、カリウムは塩分を排出してくれます。
栄養素は茹で汁にそのまま残るので、茹で汁も一緒にあげると良いでしょう。
その他にもビタミンやミネラルを多く含むブロッコリーや、ビタミンC・カリウム・ヤラピン(便秘を改善する働き)を豊富に含むサツマイモをあげるのも良いですが、あげすぎには気を付けましょう。
豆腐
「大豆は畑の肉」とも言われるほど大豆は栄養価が高く、その大豆を使った豆腐はもちろん犬の身体にも良いです。
豆腐に含まれる食物性たんぱく質は毛の艶を良くし、イソフラボンは循環器系疾患などの病気を予防するなど、健康をサポートします。普段のごはんにも混ぜやすい上、腹持ちも良いのでダイエット中の犬にも最適です。
犬の食べるものはドッグフードでない限り、一度火を通した温かいものを与えるのが基本です。豆腐も火を通したものをあげましょう。
煮干し
カルシウムを摂るなら人間も犬もやはり煮干しが一番です。100g食べただけで、一日に必要なビタミンD・ビタミンB12・ナイアシン・マグネシウムと、豊富なたんぱく質を摂取する事ができます。
ただし人間用の煮干しは海水によりかなり塩分が高いので、塩分の少ない犬用の煮干しを与えましょう。
また、ツナやさば・小魚の缶詰などもおすすめです。
こんにゃく
一般的に犬には消化しにくいと言われていますが、栄養素自体は体に良いものです。
食物繊維である「グルコマンナン」が便通を促進させたり腸内の有害物質を排出します。
犬に与える際は細かくして加熱し、普段のごはんに混ぜてあげましょう。
犬の身体に悪いもの
つづいては、うっかりあげてしまったり、盗み食いを防ぐためにも、犬の飼い主であれば知っておかなければいけない犬が食べると危険なものを紹介します。
ネギ類(玉ねぎ・長ネギ・ニラ・ニンニク・らっきょうなど)
ネギ類に含まれるアリルプロピルジスルファイドが赤血球を破壊し、貧血を引き起こして、大量に摂取すると最悪の場合死に至ります。
スープやポトフなど、玉ねぎを煮込んでエキスが含まれているものも危険です。
キシリトール
よくガムや飴のパッケージで目にしますが、このキシリトール成分は少量でも摂取すると血糖値が下がり嘔吐や歩行困難・肺不全を引き起こす可能性があります。
盗み食いの癖がある犬を飼っている場合、ガムなどを犬が届くテーブルの上などに置きっぱなしにしないようにしましょう。
カカオ類・チョコレート
カカオ成分のデオブロミンが中枢神経を刺激し、不整脈、口の渇き、痙攣、嘔吐を引き起こします。
チョコレートの場合、カカオの割合が多いビターチョコほど危険で、ミルクチョコレートなどでもカカオ成分に糖分も多く入っているので、どちらにしても犬の身体には良くありません。
レーズン・ブドウ
犬によるよっては重症になったり全く平気だったりと差があるようですが、有害だと立証されているのであげるのはやめておきましょう。
重い症状の場合、摂取して2~3時間後から嘔吐や下痢・腹痛・腎不全を引き起こす可能性があり、最悪の場合腎不全によって死亡するケースもあります。
アボカド
アボカドに含まれるペルジンという成分が犬にとっては毒です。ペルジンは果実だけでなく、葉っぱや種、皮にも含まれます。大量に食べてしまったり、間違えて種まで食べてしまうと嘔吐・下痢・胃炎を起こします。
アボカドが使用されているドッグフードもありますが、アボカドの中でもグアテマラ系が最も危険で、ドッグフードにはそれ以外のアボカド種が使用されている事が大半です。どちらにしても生のアボカドが犬の身体に良くないことに変わりはありません。
マカデミアナッツ
「マカダミアナッツ中毒」という病名があるほど、犬にとっては危険な食べ物です。チョコレートに含まれるカカオがナッツの一種であるのと同じで、マカダミアナッツも高カロリーで油分が多く消化不良を起こしやすいです。
マカダミアナッツが最も危険な割合が高いだけであり、他のナッツはあげて良いという訳ではありません。食べて数時間後に嘔吐・高熱・中毒症状などを起こす可能性があります。
スルメ
スルメはイカを干して作ったものなので、飲み込んだあと消化液により胃腸の中で大きく膨らみます。人間と違い、犬の歯ではすりつぶすほど噛むことができないので、ある程度の大きさになると丸飲みしてしまいます。そうすると胃の中でスルメがどんどん膨らみ、腸を通過できず詰まってしまい、最悪の場合手術をすることになるかもしれません。
そのためスルメなどの乾物は犬にはあげないようにしましょう。
さいごに
食べると体に良いものと、食べられないものの中でも危険値の高いものを紹介しました。
犬が食べられるものだけを使って栄養バランスを考えて作られているのがドッグフードなので、ドッグフードをあげるのが一番無難です。でもたまには犬用の手作りごはんをあげたい時もあると思います。その際はなにをあげてはだめなのか、必ず下調べをしてから材料選びをしましょう。
また、上で紹介した身体に良いもの(ゆで野菜・豆腐・煮干し・こんにゃく)を混ぜてあげるのも良いでしょう。