ヴァンパイアやドラキュラなどで血を吸うイメージがあるコウモリ。
攻撃的で怖い印象がありますが、血を吸うコウモリは1種類しかいないことをご存知でしたか?
出典:farm4.staticflickr.com
ここでは、意外と可愛いコウモリの魅力と飼育についてまとめます。
コウモリとは
コウモリとは、脊椎動物亜門哺乳綱コウモリ目の生き物です。
大洋上の島々を除く世界中の地域に生息しています。
シュッとした顔立ちにつぶらな瞳で、羽根だけはリアルで少し怖いかもしれませんね。
コウモリの飼育「種類」
日本で一般的なコウモリは小型のアブラコウモリで、高さ約5㎝程度で、羽を広げると22㎝幅にもなります。
ペットとして飼育されるのは大型のオオコウモリです。
オオコウモリは昼間に果物をよく食べるのでフルーツバットとも呼ばれています。
因みに血を吸うコウモリは中南米に生息するナミチスイコウモリです。
コウモリの飼育「ココウモリとオオコウモリ」
一般的なココウモリとオオコウモリの特徴は以下の通りです。
ココウモリ:視力があまり良くない為、飛行の際は超音波で音を反響させて位置情報を取得します。
ココウモリの耳が大きいのはこのためです。
因みに、家屋に生息することが多いアブラコウモリもココウモリに分類されます。ココウモリは夜行性の種類がほとんどです。
オオコウモリ:昼行性のコウモリです。琉球列島や小笠原諸島に分布しています。
視力が優れているオオコウモリは、耳より目が大きいです。見た目は、イヌやキツネのような顔立ちで人気があります。
コウモリの飼育「価格と寿命」
出典:idreaminacres.typepad.com
ペットショップで扱っているコウモリは50,000~100,000円程度で購入できます。
アブラコウモリの平均寿命は5~6年で、ペットとしてのフルーツバッドの平均寿命は15~20年とされています。
意外にも長生きしてくれるフルーツバッドは、最長で31歳5ヶ月も生きたとされています。
コウモリの飼育「保護する場合」
野生のコウモリは、鳥獣保護法によって捕獲・飼育が禁止されています。
ペットショップで購入した場合は問題ないものの、保護する時には県や市のルールに従いましょう。
保健所や自然保護課などに確認を取ると良いと思います。
フルーツバッドは温度管理から栄養管理、衛生管理にも気を付けましょう。
コウモリの飼育「生活リズム」
コウモリは生活リズムに忠実な生き物です。
そのため昼行性・夜行性に合わせて、規則正しく生活できるように整えてあげる必要があります。
食事の面では、人と同じように色んな食材を食べる必要があります。
自分の食事と同様、コウモリの食事も偏らないように整えてあげましょう。
コウモリの飼育「餌もバランス良く」
出典:media-cache-ec1.pinterest.com
フルーツバットは、食事も規則正しく朝晩の2回きちんと与えます。
野生化のフルーツバットは果物や花の蜜、花粉などをよく食べます。
量は朝が20~40g、夜は80~100gが目安です。個体に合わせて調節しましょう。
基本的にはリンゴやバナナ、キウイなどのフルーツを与えて、その他にもローリーネクターという動物用粉ジュースや無脂肪ヨーグルトを与えても良いですね。
コウモリの飼育「餌の分量と与え方」
果物はコウモリが食べられる一口サイズにカット。
ローリーネクターは1日に1g程度あげて、割合はネクター1:水1.5が目安です。
与える時にはスプーンか、果物などに粉を直接振りかけてあげましょう。
ビーポレンはミツバチの花粉でできていて栄養補給に良いとされています。モモンガ用で大丈夫です。
動物用ヤギミルクの粉のゴートミルクもローリーネクターと同じ量・与え方でOK。これらをバランスよく与えてあげましょう。
コウモリの飼育「性格」
コウモリは基本的に温厚な性格の生き物です。
人にも危害を加えるイメージがありますが、ほとんどのコウモリは大人しい性格をしています。
家族形態は、アブラコウモリのメスは幼獣を中心に家族単位で暮らし、オスは単独で生活することが多いです。
ただ血を好むナミチスイコウモリだけは、イメージ通り牛や馬などの家畜を襲います。
コウモリ「飼育に向いている人」
コウモリには、トイレという概念が無く、ケージや部屋中に排泄します。
こまめに掃除が出来る人であれば、コウモリに良い環境を整えてあげるでしょう。
基本的には一人暮らしではなく、家族での飼育で餌の時間から掃除の時間、遊ばせる(飛行させる時間)…と規則正しく飼育できる人が良いですね。
自分中心の生活リズムで飼育する人は、コウモリの生活リズムを崩して体調を崩させてしまうこともあるようです。
コウモリ「飼育ケージの選び方」
コウモリのケージはオウム用ケージを使用します。
基本的に天井にぶら下がっているので、網目状のケージを選びましょう。
高さのあるケージを選んで、ケージの隙間にはコウモリの指や羽根が挟まらないかどうかも確認してあげましょう。
コウモリの飼育「保温器・給水機」
フルーツバットは熱帯地域に生息する生き物で寒さに弱いです。
そのため爬虫類用サーモスタットで25~30℃程度に温めます。室内も25~30℃に保ちましょう。
コウモリの生活リズムは爬虫類用の昼夜兼用赤外線保温球で整えます。
給水機は、小動物の飼育に使用されるボトルタイプがおすすめ。
他の生き物と同様、水は欠かさないようにしましょう。初期費用はケージ代とエサ代で7万円程度が目安です。
コウモリの飼育「病気」
コウモリの病気には、狂犬病や(出血熱を引き起こす)ハンタウィルス感染症などがあります。
野生のコウモリの場合は特に注意が必要です。
ペットのコウモリに関しても、徹底した管理の元で飼育し突然死を防ぎましょう。
さいごに
出典:livedoor.blogimg.jp
「闇の夜の中で目を光らせている」怖いイメージのあるコウモリ。
ただ実際に目にすると、小動物のような可愛さも持ち合わせていて何とも言えない魅力があります。
温厚で大人しい性格のコウモリがほとんどなので、飼主さんともすぐ仲良くなれるでしょう。
コウモリとの飼育では、名前を付けて呼んであげたり、撫でたりと一般的なスキンシップでOK。
運動量が確保できない子に関しては、広めのケージの中でたくさん遊ばせられるように工夫してみてくださいね。