一般的なアズマモグラよりもひと回り大きいコウベモグラ。
見た目もアズマモグラよりまるまるしていて可愛らしいです。
出典:ja.wikipedia.org
他にもモグラの種類にはどのようなものがあるのでしょう。
コウベモグラとは
コウベモグラはトガリネズミ目(食虫目)モグラ科モグラ属の哺乳類の生き物です。
紀伊半島を除く西日本を中心に生息。
アズマモグラは日本各地に分布していたにも関わらず、大型のコウベモグラに駆逐されつつあります。
こうしてコウベモグラは東日本にも生息域を拡げているのです。
アズマモグラとは
アズマモグラは静岡県、長野県、石川県より北の本州と紀伊半島南部に生息しているモグラです。
一番メジャーなモグラで、山地のアズマモグラは比較的小型。太平洋側の平地のアズマモグラは大型のモグラが生息しています。
「日本海側は小型、太平洋側のアズマモグラは大型」と生息地域によって体格に差が出るのも特徴です。
アズマモグラもコウベモグラも山地の森林から低地の草原、農耕地に分布。
平野部では「深くて湿っていて潤いのある土壌での生息密度が最も高い」とされています。
モグラの間接的なダメージ
モグラは農家の方から「害獣」として扱われることが多いです。しかしモグラは肉食の生き物なのでミミズや昆虫の幼虫など食べています。
あとはジムカデ類やヒル類、植物の種子を食べるので、農家の方への直接的ダメージはありません。
モグラは地中にトンネルを掘っていくだけで、畑を直接荒らすのはネズミです。
ただモグラの掘った穴は作物の根や近くの土壌を掘り返したり、ネズミの侵入経路になってしまうことがあるので駆除されてしまうこともあるようです。
大雨の日はモグラが開けた穴によって土砂が流出、家では庭がボコボコすることもありますが少しの被害はご愛敬です。
モグラの種類「サドモグラ」とは
他にもモグラには以下のような種類がいます。
サドモグラは体長15㎝、しっぽが2.5㎝程度。体重95~135gのモグラです。
越後平野や佐渡島に分布しているモグラで、準絶滅危惧(NT)に指定されています。
※越後平野に生息しているモグラはエチゴモグラとも呼びます。絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。
これらは平野にある農耕地や水田に近く、河畔にある「土壌が深い草原」などに生息しています。
《絶滅危惧種》
絶滅危惧種の程度は以下の通りです。
・絶滅危惧IA類(CR):ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
・絶滅危惧IB類(EN):IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
・準絶滅危惧(NT):現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
安易に捕獲して飼育すると罪に問われることがあるので気を付けましょう。
「センカクモグラ」「ミズラモグラ」とは
・センカクモグラ:尖閣諸島に生息しているモグラです。
全長13㎝、尻尾1㎝程度、体重42g程度のモグラです。絶滅危惧IA類(CR)に指定されています。
・ミズラモグラ:本州は青森県~広島県に生息しています。標高が低い山から高い山でも生息できます。
全長8~10㎝、尻尾が2㎝程度、。体重が25~35gのモグラです。準絶滅危惧(NT)に指定されています。
小さなモグラ「ヒミズ」とは
ヒミズ:本州・四国・九州に分布しています。標高が低い山や草原(落ち葉の下)に生息しています。
体長9~10㎝、尻尾が2.5~3.5㎝。体重が15~25g程度のモグラです。
普段は落ち葉の下や腐食層に浅いトンネルを掘って生活します。夜は地表で生活する半地下性のモグラです。
さらに小さなモグラ「ヒメヒミズ」とは
出典:forest.kyushu-u.ac.jp
ヒメヒミズとは本州・四国・九州、淡路島・小豆島・対馬・隱岐等に広く分布しているモグラです。
頭胴長は7~8㎝程度で、標高の高い山に生息しています。
トンネルをせっせと掘るよりも、落ち葉の下で単独生活をしていることが多いです。
モグラの種類:大きさと違い
モグラは生息場所によって大きさが若干変動します。
三重県のデータによれば、モグラは「コウベモグラ、アズマモグラ、ミズラモグラ、ヒミズ、ヒメヒミズ」の順の大きさとなっています。
そしてコウベモグラとアズマモグラは生息環境も激似。
ミズラモグラは灰褐色から黒色で、まっすぐで強くて大きい爪も特徴的です。
ヒミズとヒメヒミズは「黒色のビロード状の体毛に、比較的小さな手のひら、長い尻尾の小型のモグラ。ヒメヒミズは、ヒミズより体が細くて小さな種類です。
サドモグラは暗褐色や褐色のカラーに大型の口蓋。越後モグラはどちらかというと褐色寄りの被毛が多いです。
ペットとしてのモグラ
以前アズマモグラの記事でご紹介したように、モグラは飼育が難しい生き物です。
詳しくはコチラの記事をご覧ください。
そしてモグラは絶滅危惧種に指定されつつあるモグラがほとんど。
一時的に保護することはあっても、長期的に飼育することは出来ないようでした。
見つけた時には思わず捕まえたくなる気もしますが「一時を一緒に生活するよりも自然の中でのびのびと過ごさせてあげた方が良い」でしょう。
ただ、万が一モグラを保護したときには都道府県に確認して、どうするか指示を仰ぎましょう。
モグラではない「ハリモグラ」
ハリモグラとは原獣亜綱カモノハシ目ハリモグラ科の生き物です。
体長35~50cm、体重5kg程度のカモノハシの仲間です。ニューギニア南東部、オーストラリア、タスマニア島に分布しています。
厳密にはモグラでは無いので、表面の土を少し掘ったところに棘だけ外に出して生活しています。
針は長さ5cm程度もあり、外敵から身を守るのに最適です。
まとめ
モグラは日本各地に多く分布していたのがアズマモグラで、西日本に多く生息しているのがコウベモグラ。
他にも場所によってさまざまなモグラが生息していることが分かりました。
モグラという名前がついてもモグラではない生き物にはハリモグラもいます。
これらは大きな手が特徴的で、そのアンバランスさも可愛らしいです。
種類によっては若干被毛の色が異なっていたり、しっぽの長短の違いもあって面白いですよ。
もぐらに会いたくなったら、モグラを飼育している近くの動物園で観察してみてくださいね。