ずんぐり体形に丸くて小さい耳は、短い手足・太い尻尾が特徴的なタヌキ。
見た目にもふわふわして可愛いらしいですよね。
一般的にタヌキを飼育している人は見かけませんが、ペットとして飼育することは可能なのでしょうか。
タヌキとは
タヌキは哺乳綱ネコ目イヌ科タヌキ属の生き物です。
属性はイヌ科ですが、犬のような人懐っこさや従順さはありません。
ペットとして飼育したいのであれば、子供の頃から飼い慣らして親タヌキ・面倒を見てくれる人と認識してもらいます。
基本的には野生で生息する生き物なので、安易にペットに迎えられると思わない方が良いでしょう。
タヌキをペットに迎える
農作物や養殖・家畜にも被害を与えるので鳥獣保護法で狩猟が認められてるタヌキ。
そしてタヌキを飼育するためには許可が必要。※許可が下りることは少ないです。
許可の方法は独特で、鳥獣保護法により狩猟解禁期間中に保護したタヌキ(または病気のタヌキ)に対して「生涯飼養許可」を申請します。
※狩猟解禁期間:11月15日~2月15日(本州)
タヌキの基本情報
タヌキは夜行性の生き物です。
東アジアのタヌキの平均体高は27~37.5cm・平均体重は3.6~6kg程で、秋頃には10kgにも増える子もいます。
寿命は野生で6~7年、ペットのタヌキなら15年程生きることも。
基本的には山野に生息していますが、都市部でも生活できる適応能力を持っています。
食べ物は人間が出したゴミも食べるので、(野生下では)餌には困らないことがほとんどです。
タヌキは雑食「なんでも食べる」
タヌキは雑食の生き物です。虫や魚、小動物や果物も食べます。
秋には穴ごもりの為によく食べて、どんぐり等の餌をたくさん集めます。
※穴ごもりとは土の中に穴を掘ったり、木の洞穴に入って冬を越すことです。
飼育するときには毎日食事量や糞尿の状態もチェックして健康管理に努めましょう。
タヌキ「攻撃的になることがある」
タヌキは臆病な性格をしているので身を守るために攻撃的になります。
元々が凶暴な生き物ではありません。
大きな音にも危険を避けるために敏感になったり、環境の変化にもとまどうことがあります。
野生下では呼んだり餌を見せれば寄ってくることも無いので、飼育するときにも努力すれば仲良くなれるというわけでもありません。
タヌキを小さい頃から飼いならしたとしても、お世話をしてくれる飼い主さん以外には敵対視することも多いです。
《タヌキと犬歯》
タヌキは比較的犬歯が発達していない生き物です。
それでも安易に触ろうとしたり、構い過ぎると容赦なく噛まれます。繁殖期には攻撃性が増すので構い過ぎには気を付けましょう。
タヌキとトイレ「溜フン」
タヌキは溜フンといって、同じ場所でフンをする習性があります。
その為、定期的に掃除をしないと衛生上の問題も出てきます。
タヌキの糞には食べ物の情報がたくさん詰まっているので、他の昆虫や節足動物も集まりやすいです。
タヌキにとっては餌になるものが増えますが、人にとっては害になることがあるので定期的に片付けましょう。
※タヌキは糞があるところで食事をすることもあります。
日本のタヌキの種類
タヌキの種類には以下のようなものがあります。
●北海道に分布するエゾタヌキは茶褐色の被毛をしています。
穴を掘りやすい体形をしていて、昼は巣穴で過ごします。
●本州、四国・九州に分布するホンドタヌキは、エゾタヌキよりひとまわり小さめのタヌキです。
オスメスのつがい等、家族で生活しています。藪の中やアナグマが住んでいた穴等で生息します。
タヌキの飼育「必要な物」
タヌキを飼育する上で必要な物には「ケージ、トイレ、給水器・餌皿、ベッド、首輪・ハーネス、リード」等があります。
前述の通り、タヌキは冬になると穴ごもりをすることがあります。
しかしペットに迎える時には、室内飼育が基本になるので気を遣う必要はありません。
タヌキの給餌方法
タヌキの餌は1日2回で身近にある餌を与えます。
フードはドッグフードで問題ありません。副食には野菜や果物を与えます。
小さな頃は哺乳瓶で犬用の粉ミルクを与えましょう。
ミルクは人の赤ちゃんと同様、人肌に近い温度で与えると良いでしょう。
タヌキ「ペットとして飼育している人」
出典:rocketnews24.com
野生で見かけることが多いタヌキが首輪やリードを付けていたり、毛皮があるのにストーブが大好き!
意外性から思わずフッと微笑んでしまいそうなペットのタヌキ。
そんなペットのタヌキの中には「子犬を拾って育てたらタヌキだった」なんてこともあるようです。
タヌキがかかりやすい病気:疥癬(かいせん)症
人にも感染する疥癬(かいせん)症とは、ヒゼンダニによる感染症のことです。
この感染症は刺されたダニの数だけ強い痒みを引き起こしやすくします。
タヌキが感染すれば全身の被毛が抜けて、皮膚は硬くなりフケとして剥がれやすくなります。
人に感染した場合は疥癬トンネル等の小さな赤いぶつぶつが出来たり、灰色から黄色の厚い貝殻のようなザラザラした皮膚・爪</span>になることがあります。
このような症状がみられらら「タヌキは対応可能な動物病院」で「飼主さんが感染した場合は皮膚科」で診てもらいましょう。
タヌキと病気「犬ジステンパーウイルス感染症」
犬ジステンパーウイルスは、すでに感染している犬から分泌されたもの(目やにや鼻水、唾液、尿・便等)に接触することで感染する症状のことです。
また、直接触れなくても空中に飛散したウイルスを吸うことで飛沫感染することもあります。
ワクチンを接種していない子犬1歳未満(生後2〜6ヵ月齢)や、免疫力の少ない子犬・病気等で体力が弱っている犬・老犬もかかりやすい症状です。
タヌキも鼻水やくしゃみ、発咳や、嘔吐・下痢の症状がみられたら早急に獣医師さんに診てもらうようにしましょう。
症状には他にも麻痺や運動失調といった神経症状がみられることがあります。幼ない獣や老獣には命の危険性もある病気なので早めに対処しましょう。
まとめ
タヌキは、申請して許可が出ればペットとして飼育することもできることが分かりました。
しかし、タヌキは害獣とされているので健康な個体を飼育することは難しいです。
縁があって飼育できる時にも「最後まできちんと飼育できるか」熟考の上で飼育するようにしましょう。