背中にたくさんの針を持つハリネズミ。
実際に目にすることは少ないので、どういう生き物なのかイマイチ分かりませんよね。
そこでハリネズミの特性と飼育に必要な物をまとめてみました!
ハリネズミとは
ハリネズミとは、ハリネズミ目ハリネズミ科ハリネズミ亜科の哺乳動物です。
名前にネズミと付くものの、げっ歯類ではなくモグラに近い生き物となっています。
臆病で人にも懐きにくいものの、良いブリーダーの元でハリネズミを購入できれば、飼主さんにも慣れやすく手に乗ってきてくれることもあります。
《ハリネズミの餌・フード》
飼育下のハリネズミには専用のハリネズミフード、副食に生き餌のミルワームやコオロギを与えます。
前述の通りハリネズミはモグラに近い生き物なので、野生下では無脊椎動物やカエル・トカゲ・ヘビも食べます。
ここで引いてしまうようなら飼育も控えたほうが良いでしょう。
※ハリネズミのフードはドッグフードやキャットフードに代えても大丈夫です。
ハリネズミの価格
ハリネズミの価格は15,000円~40,000円程とされています。
ハリネズミを扱っている店舗は少ないので「店舗」や「カラー」によっても価格は変動します。
スタンダードのソルトアンドペッパー系がお手頃で、シナモン、ピント・ホワイト系とレアカラーになると価格は跳ね上がります。
外国産の方が安く手に入りますが、育成環境の不安定さや輸入時のダメージ・ストレス、病気・怪我の可能性を考えると国内産の個体の方が安心です。
そんなハリネズミの寿命は5年~10年とされていますが、飼育方法が悪かったり、不慮の病気を患うと3年未満で亡くなることもあります。
ハリネズミ「飼育で必要な物」
ハリネズミの飼育に必要な物には「ケージ、回し車、小屋、床材、エサ、給水ボトル・餌皿」等があります。
初期費用は15,000円程で、毎月の維持費には床材(1,000円)・餌(1,500円)程度かかります。
温度管理では、ヒーターやサーモスタット(計8,000円程)を購入しておくと便利です。
ハリネズミ「単独飼育」
ハリネズミは単独で生活する生き物です。
ペットに迎える時には1つのケージに1匹のハリネズミを飼育。
繁殖時には一緒に飼育することも可能ですが、繁殖が終わったら単独飼育に戻した方が無難です。
※多頭飼育では喧嘩や怪我、ストレスで体調を崩すことも考えられます。
ハリネズミの活動時間
ハリネズミは夜行性です。
活発になる時間帯は午後9時~0時と午前3時頃とされています。そのため昼間はきちんと睡眠を摂らせてあげましょう。
飼育下のハリネズミには、冬眠(夏眠)をすることで身体に大きな負担がかかるので絶対させないようにします。
部屋には温度計とエアコン等を設置して温度管理を徹底し、20℃以下(厳密には18℃以下)・29.5度以上にならないようにコントロールしましょう!
※ハリネズミの食事量が減ったり、行動が鈍くなってくると冬眠(夏眠)に入る危険性があるので気を付けましょう。
ハリネズミ「針の役わり」
ハリネズミといえば、体に付いたたくさんの針が特徴的ですよね。
ハリネズミの身体にある針の数はおよそ6~7000本とされています。
普段は抱っこできるほど大人しいハリネズミですが、驚かせるようなことをすると針をピンと張って身を守ろうとします。
あとハリネズミの針は「身を守る」他にも、高いところから落ちても怪我をしないようにするクッションの役割も果たしています。
海外では、移動中の導線から落ちてきたハリネズミの針で大怪我をした人もいるようです。
ハリネズミは高いところに連れて行かないようにしましょう。抱っこの際も低い位置で可愛がって、ハリネズミを怖がらせないようにしましょう。
ハリネズミの鳴き声
ハリネズミの鳴き声はピーピーと鳴きます。
個人的には鳥に近い鳴き声だと思いました。
そんなハリネズミの鳴き声は、子ハリネズミが母ハリネズミを呼ぶときや、繁殖時にはオスのハリネズミがメスの気を引こうとするときによく聞くことができます。
ハリネズミは好奇心旺盛で活発な子もいて、食べ物を探すときには鼻をフンフン鳴らすこともあります。
《普段は鳴かないペット》
ハリネズミは普段は鳴かない生き物です。
そのため、飼育する環境が整えばアパートで飼育することもできます。
ハリネズミのコミュニケーションの手段では、40~90kHzの人間が聞き取れない音を出しているので近隣の迷惑にもなりません。
警戒や威嚇をするときも、鼻孔から息をシュッシュッ・プシュープシュー・シューシューと吐く程度のものとなっています。
ハリネズミ「鳴き声と攻撃」
ハリネズミの警戒と威嚇では、プシュープシューと息を吐く他、針を立てて身体を丸めて身を守ることがあります。
※場合によっては、丸まったまま跳ねて威嚇することもあります。
この時はハリネズミは敏感になっているので触ることも控えましょう。
少し驚いたり警戒する時にはおでこの針を突きだして頭突きしてくることもあります。
何か気になることがあり、ハリネズミに触らなければならないときには専用の手袋を付けて針に気を付けながら優しく扱いましょう。
ハリネズミの警戒・威嚇はストレスを溜めている状態なので速やかにケージに戻してあげましょう。
ハリネズミの泡つけ(アンティング・香油塗り)
ハリネズミの飼育では、泡付け(アンティング・香油塗り・唾液塗り)というものがあります。
ハリネズミは新しい臭いに敏感なので、舐めたり齧ってみたり、長い舌で泡状の唾液とからめて背中・わき腹の針に塗ります。
体をねじって奇妙な態勢で塗りたくり、周囲の匂いと同化させて匂いへの適応や外敵から自分の匂いを隠すと考えられています。
ハリネズミ「緑色のうんち」
ハリネズミは普段は茶色のうんちをしますが、ときどき緑色のうんちを出します。
お家に迎えてから3日~5日は緑色のうんちを出すことがあるでしょう。環境に慣れたら茶色のうんちをするようになります。
※野菜をよく与えている場合は緑色のうんちが出ます。
普段から元気で食欲もあり、たまに緑色のうんちを出すようなら問題はありません。
しかし、緑色のうんちをよくするようになったら健康上の問題を抱えている可能性があります。
ストレスや内部寄生虫・細菌感染、古くなった餌を与えることで起こる食中毒等を疑いましょう。
このときは早めに(ハリネズミ対応可能な)動物病院で診てもらいましょう。※お近くのハリネズミ対応可の動物病院を探しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
まとめ
ハリネズミは、ネズミ・ハムスターとも異なる育て方で飼育する必要があることが分かりました。
初めは慣れないことだらけで不安になると思いますが、そんなときにも頼りになるブリーダーさんやペットショップのスタッフ、動物病院でも相談できれば鬼に金棒!
ハリネズミを飼育するときには習性・特性を理解して、ハリネズミの飼育に慣れている人のアドバイスも聞きながら育てられると良いでしょう。