羊のようなもこもこした被毛のアルパカ。
見た目はラマに似ていて、主に被毛の利用や使役を目的に飼育されています。
ブームにもなったアルパカは、ペットとして飼育することが出来るのでしょうか。
アルパカとは
アルパカはアンデス山脈の海抜3,500~5,000m程の高原地帯に放牧されている生き物です。
具体的にはペルーやボリビア北部、チリ北部に生息しています。
体長は1.2~2.2m程で、体重は50~75kgです。尾長は15cm程度とされています。
アルパカはラマと混同されがちですが、ラマよりも体は小さめで長い被毛が特徴的。
アルパカもラマもラクダの仲間で、アルパカはビクーニャ属、ラマはラマ属に分類されています。
アルパカ「ラマとの違い」
アルパカとラマは、大きなパッチリお目めに長いまつげで高貴な印象がありますよね。
どちらかというとアルパカは柔らかい、ラマは筋肉質な体格をしています。
耳は、アルパカの方が比較的短いです。
被毛もアルパカの方が毛量が多くてふわふわしています。
アルパカの飼育「被毛」
アルパカの被毛は、白~茶色、灰色、黒色のものもいます。
四肢の先まである被毛は柔らかく、長い部分では40~60cm以上にもなるのです。
アルパカの被毛はウールの中でも上質が良いとされていて高値で取引されています。
ラマは使役に用いられることが多いのに対して、アルパカは被毛を目的に飼育されることが多い生き物です。
アルパカの飼育「広い環境で多頭飼育」
アルパカは、基本的に放牧地にいる生き物なので「広大な敷地」と「多頭飼育」が必要です。
また草食動物が多頭で生活して身を守るように、単頭での飼育にも向きません。
そのためペットに迎えるときには、妊娠した2匹の雌を飼育するのが良いとされています。このようにアルパカは複数頭での飼育が必要なのです。
アルパカの寿命は23年前後と言われているので、比較的長い間飼い続けられるのかも疑問ですね。
アルパカの飼育「土地の広さの目安」
イタリア・アルパカ協会によると、土地の広さは5匹のアルパカで1ha(100×100m)。
金銭的に余裕のある人は、飼育場に預けておくのも良いでしょう。
アルパカはペット用に改良されていないので、野生下の環境を再現できることが大切。アルパカを放牧地で自由に放しておくことはストレスを溜めない生活にも繋がります。
あとは羊用の柵や厩舎(きゅうしゃ)、パドックなどの設備がそろった場所で飼育できれば安心。
定期的に獣医士さんに診察・予防接種をしてもらうことも忘れないようにしましょう。
アルパカの飼育「必要なもの・餌」
アルパカは草食動物なので、広大な敷地には牧草が必要です。乾草を固めた「ヘイキューブ」なら1カ月に1万円程かかります。
これが複数頭での飼育と考えると、餌代だけでも大変な思いをしそうです…。
最初は、食事は1日1kg程度の干草と補助食の穀物で栄養のバランスを見ましょう。
お水は毎日新鮮なものをあげてください。
あとは1頭当たり2~3畳の清潔な小屋と自分で被毛を整えられる砂場を揃えます。
アルパカの飼育「毛刈り」
アルパカの被毛は、年に一回のペースで毛刈りをする必要があります。
これを行わないと熱中症の危険性があるのでアルパカを健康に保つ上でも大切です。
因みに毛刈り後のアルパカはビズ・パカといいます。
被毛にハートの柄や鳥の羽の形に揃えた被毛にするアート・パカも可愛いですよ。
アルパカの飼育「値段」
これまでアルパカの飼育環境を見ると個人飼育には向かないペットと言えそうです。
アルパカの相場も180~200万で、アメリカやオーストラリアなら250~1000万程の高値がつくこともあります。
それでもアルパカを飼いたいという方は、那須アルパカ牧場の「Alpaca Hill(アルパカの丘)」でアルパカとご対面してみてはいかがでしょうか。
北海道恵庭市にある「えこりん村」では、羊毛クラフト体験もできて楽しいです!私はえこりん村にだけ行ったことがありますが、意外に首が長くてビックリしました。
アルパカの飼育「性格」
アルパカは基本的に臆病で神経質な性格の持ち主です。
※ラマは人慣れしている子が多く穏やかな性格をしています。
それゆえ怒らせたりすると、反芻胃で胃で消化しているものを吐きかけることがあります。
吐きかけられた吐しゃ物のニオイは強烈です。
アルパカをペットに迎えるときには、吐しゃ物の危険性があることも頭の隅に入れておきましょう。
アルパカ犬とは
出典:www.pictaram.org
誰にでも飼育できるわけでは無いアルパカ。
それでもアルパカを飼育するのが夢!という方にはアルパカに似た雑種犬のアルパカ犬はいかがでしょうか。
日本テレビ系の動物バラエティ番組「志村動物園」でも紹介されたアルパカ犬は、保護施設にいた子です。
まるでアルパカの子供のようでした。
因みに、写真はインスタで人気のつな君です。首まわりのもこもこが可愛いですよね。
アルパカ犬「チワプー」
チワワとプードルのミックス犬「チワプー」は、ミックス犬人気第3位の犬種です。
アルパカのような体型になることは稀ですが、トイプードルのくるくる被毛がアルパカのもこもこ被毛のようで可愛らしいですよね。
それでいて、チワワもトイ・プードルも賢いのだから文句なしです。チワプーは飼い主に忠実・愛情深い性格なのも嬉しいですよね。
それでいて神経質で縄張り意識が強いチワワは、どことなくアルパカの性格にも似ています。
まとめ
出典:animo-animal.jp
アンデス山脈で放牧されているアルパカは「個人的に飼育することは難しい生き物」だと分かりました。
それでもアルパカを飼育したい方は那須アルパカ牧場に問い合わせてみると良いでしょう。
一般家庭では、アルパカさんにも似たフワフワ被毛のチワプーもおすすめ!
アルパカを飼育したい人は、まずは動物園でアルパカの飼育環境を見てから考えるのもいかがでしょうか。