人の祖先とされていて賢く、表情豊かな猿。
頭の良さと可愛さでは、ペットに迎えたいと思う人もいるでしょう。
ここでは、人気の猿の種類と猿の飼育についてまとめます。
猿とは
猿とはサル目(霊長目)の生き物です。
生物学的にはヒトもサルの一種とされています。
頭の良さでは、人のDNAと1%しか違わないようです。
野生の猿は、農家の家の作物を荒らしたり、攻撃的な性格の子も多いでしょう。
しかし猿の種類によっては、比較的穏やかな性格の子もいます。
猿の飼育
猿の飼育は、動物園と同様に檻やケージの中で飼うのが一般的です。
ケージの広さも確保して、猿が運動不足にならないようにします。
運動不足は、足腰の筋力低下や健康問題にも繋がります。
また、猿の特徴ともいえる飛び移ったりという動作が出来なくなる子もいるようです。
ケージには(できれば複数個)止まり木を用意して、元気に育ててあげましょう。
猿の飼育「ケージ」
画像の猿:コモンマーモセット
ケージの高さは1~1.5m確保。
止まり木は丈夫な素材で「猿の頭が天井に着いたり、尻尾が床に着かない大きさ」のものを選びましょう。
ケージには休憩スペースやホットスポットもたくさん作って快適な環境にできると良いですね。
猿の飼育「温度管理」
猿は基本的に温かい場所に生息する生き物です。
猿のケージは、日光が直接当たらない温かい場所で飼育できると良いでしょう。
部屋には暖房器具も用意して(18~27度の)適温に保てるようにします。
小型の猿は熱帯、亜熱帯産の猿が多いので室温も高めの方が良いですね。室内飼育では紫外線ライトなども併用できると良いでしょう。
基本的に小型の猿の適温は30度ほどとかなり高いです。
寒さに弱い生き物なので、寒い日にはペットヒーター等で温めてあげましょう。
猿の飼育「上下関係」
猿は上下関係に厳しい生き物です。
自分より下と認識すると攻撃的になることがあります。
小さなお子さんがいるご家庭や、来客が多いご家庭には向かないペットです。
猿の飼育「餌」
画像の猿:ピグミーマーモセット
猿は雑食の生き物です。
猿用のモンキーフードで栄養面のバランスをみながら、時々果物を上げても良いでしょう。
ドッグフードでも代用可能です。
餌は食べやすい大きさにカットしてあげると良いでしょう。モンキーフードはそのままで大丈夫です。
餌は1日2回で、他の生き物と同様、玉ねぎやチョコレート類などは与えないように気を付けましょう。
飼いやすい猿の種類
画像の猿:スローロリス
出典:www.edgeoftheplank.com
猿の中で比較的飼育しやすいのはリスザル、コモンマーモセット、スローロリス、アカテタマリンあたりとされています。
価格は30~60万程度です。
頭の良さではしつけもきちんと覚えてくれます。※トイレのしつけは別。
食費や電気代などの維持費から消耗費もかさむので金銭的に余裕がある人であれば問題ないと思います。
最後まで飼育できるか不安な人は、ペットショップで相談するのも良いでしょう。
猿の飼育「トイレのしつけ」
猿は基本的にトイレにするという概念がありません。
そのため飼主さんはケージの床をこまめに掃除する必要があります。
床はうさぎの床のように糞を落とせる細かい金網だと、直接排泄物に触れる機会が減って良いと思います。
猿の飼育「霊長類同士の風邪」
猿は、 人と同じで「風邪」にかかりやすい生き物です。
猿が風邪を引いた場合は、飼い主さんも極力近づかない方が良いでしょう。
また、飼い主さんが病気の時にも、猿の近くにはいかない方が安心ですね。
同じ霊長類という事もあって病気の時には慎重になる必要がありそうです。
猿を飼う前には、猿を診てくれる獣医さんも探しておきましょう。
猿の飼育「コモンマーモセット」
コモンマーモセットは、体長16~21cm、体重240~300g。寿命は10~15年程度とされています。
猿の中でも穏やかな性格をしています。
南米原産の猿で、食性では果物から昆虫までなんでも食べます。
餌は手で食べるのも人間みたいで可愛いですよね。
猿の飼育「ピグミーマーモセット」
ピグミーマーモセットは、猿の中でも小さな種類の猿です。
体長11~15cmほどで体重100g前後。寿命は12年前後とされています。
口が小さいので、果物は細かく切る必要があります。
猿の飼育「スローロリス」
出典:youtube.com
スローロリスは、東南アジア原産の猿は小型ザルの中でも若干大きめの猿です。
体長26.5~38cmで体重1kg前後。寿命は10~20年とされています。野生の方が長生きです。
絶滅危惧種に指定されているので、飼育は日本で繁殖された個体のみになります。
飼育には証明書が必要です。価格は50万円前後になります。
大きな目にゆったりとした動きが特徴的。
長い尾が無いので木から木へ飛び移ったり、走ったりジャンプせず、森林や竹林でひっそりと生息します。
猿の飼育「ショウガラゴ」
ショウガラゴは、アフリカのジャングルや河川に多く生息している猿です。
体長10~20cm、体重100~250g。寿命は10~13年と比較的短めです。
夜行性なので日中は静かに生息しています。
俊敏な動きでジャンプ移動もお手の物!
社会性を持った猿は、集団生活に慣れているのでペットにもおすすめです。
ショウガラゴの
画像の猿:ショウガラゴ
出典:higopet.blog76.fc2.com
ショウガラゴは、特に運動量が必要な活発な猿です。
ジャンプでは3mほど移動することもあるので気を付けましょう。
猿全体に言えることですが、紫外線量ではビタミンD欠乏や代謝異常にならないように気を付けましょう。
まとめ
猿の飼育には、徹底した温度管理と広い敷地、維持費が必要になることが分かりました。
ケージの中では、活発すぎて止まり木や巣箱、エサ箱も破壊してしまう事があります。
これらは定期的に新しいものに変えてあげる必要がありそうです。
他にも、猿は小さな子供と同じ様に定期的にかまってあげる必要があります。
寂しい思いをさせると病気になったり、信頼関係が崩れる原因になるので気を付けましょう。
猿は自然に近い環境で愛情たっぷり育てられると良いですね。