コーギーの病気の一つには「遺伝病」があります。
ブリーダーが「人気の犬種」をみだらに繁殖したり、物珍しさで「ミックス犬」を作ることで病気になりやすい子を誕生させてしまうのです。
コーギーも人気の犬種なので、悪質なブリーダーによっては遺伝病の子を誕生させてしまうことがあります。
コーギーの相談
2016年の国民生活センターのペットの相談は1年間で1300件以上ありました。
人気のコーギー犬に関する相談もたくさんあります。
これを受けて大手ショップでも、ブリーダーとの契約の見直しや繁殖の自粛を促しています。
コーギーの遺伝病「種類」
遺伝病の種類には以下のようなものがあります。
・GM1-ガングリオシドーシス
・神経セロイドリポフスチン症(NCL)
・進行性網膜萎縮症(PRA)
・捕捉好中球症候群(TNS)
・コリー眼異常(CEA)
その中でもコーギーはDM(変性性脊髄症)の遺伝病を発症しやすい犬種です。
コーギーの遺伝病「変性性脊髄症」
変性性脊髄症になると、足が麻痺して動かなくなり歩行具で介助。
そのうち歩けていた方の前足も動かなくなって、歩行具も使えなくなります。
そして排泄も困難になり、最後には心肺も麻痺して亡くなってしまうのです。
コーギーの遺伝病「歴史」
1990年代からCMをきっかけに人気が出たコーギー。
当時は遺伝病の存在も知られていないことから年間2万匹以上繁殖されました。
因みにコーギーが10年後に変性性脊髄症になるリスクは約48%と言われています。※原因となる遺伝子を持たない子はおよそ9%です。
コーギーの遺伝病「原因遺伝子」
原因遺伝子があっても「健康そのもの」であれば、そのまま販売されてしまう事が多いです。
遺伝病を発症しうる原因遺伝子を持つコーギー(保因犬)同士の繁殖では4分の1の確率で遺伝病を発症します。
ミックス犬(ハーフ犬)や基準を満たしていない個体(スタンダードではない子)も同様に、死産してしまう子も多いのです。
物珍しさで可愛い個体を求めれば、産まれてくるコーギーにもつらい思いをさせてしまうことを理解しておきましょう。
コーギーの遺伝病「下調べ」
ブリーダーの意識と同様に、飼主になる人はコーギーの知識を増やす必要があります。
「コーギーはどこで購入するのか」「必要な情報は提供してもらえるのか」も確実に調べてから購入しましょう。
飼育してからも、コーギーに関する情報収集は怠らないようにしましょう。
コーギーの遺伝病「ブリーダー」
繁殖屋・パピープル・シリアスブリーダー等、様々な名称を持つブリーダー。
知識と犬の健康を大切にして繁殖にも気を付けるブリーダーがいる一方で、人気の個体や物珍しさを求めてみだらに繁殖させるブリーダーもいます。
「家族の一員となるコーギー」のブリーダーは、優良ブリーダーを選んで健康的な子を産んでもらえるようにしましょう。
コーギーの遺伝病予防「優良ブリーダー」
優良ブリーダーを見極める条件には、幅広い知識や経験、情報収集を怠らないこと・必要な情報提供や情報の開示、アフターフォローも欠かさないこと。
コーギーの「スタンダード(犬種標準)」を守って、親犬にも無理をさせない交配に努めること。
営利目的ばかりでリスクのある交配は行わないこと。
子犬にも心身共に健康に育てられる設備が整っていること。
他にもその犬種が好きであること・動物愛護管理法に則った販売・法律にもきちんと従っていることが挙げられます。
コーギーの遺伝病「購入のリスク」
ペットショップでは、専属の獣医師さんがいても「病気になる子」を判断することは難しいです。
他にも、悪質なショップでは「元気な子ですよ」と言われたのに病気の子だった。
「成長すると治りますよ」といい加減な回答をされた。
「病気になったら他の子と交換する」といった心無いことを言われることも。
このように「遺伝病を発症するリスク」を知らせずに販売されてしまうことも多いです。
安く仕入れ・安く売ることができる背景には、このようなデメリットがあることに注意しましょう。
コーギーの遺伝病予防「ブリーダーの仕事」
ブリーダーは新しい生命を誕生させてくれる素晴らしい仕事です。
繁殖の数は、母犬に負担にならないように配慮して「リスクのある交配」も行わないようにしています。
その為、健康な子犬の誕生には1年以上待ってもらうことも多いです。
コーギーの遺伝病「研究所の設置」
国内最大規模のペットショップでは「遺伝子検査」を導入するところも増えています。
遺伝病予防の為のブリーダーとの契約の見直し。
ブリーダーは親犬の口の粘膜を研究所に渡して、そこで遺伝子を抽出・検査機にかけてもらいます。
遺伝子検査にかかる費用はブリーダー持ちで出費も痛いですね。
コーギーの遺伝病検査
遺伝子検査をするのは良いものの、1つの病気で1匹7,000円程の検査費用をかけて「(遺伝子に)異常あり」と診断されれば、飼育費用だけがかかる。
ブリーダーさんにかかるリスクも大きいですが、命を扱う仕事なので覚悟が必要です。
そして購入者は「数十種類扱っているブリーダー」よりも「数種類の犬種に絞っているブリーダー」を選んだほうが「知識も豊富で安心」できます。
また「人気の犬種だから」ではなく「その犬が好きだから」ブリードをしている人から購入できると良いでしょう。
ペットは「可愛い!」「珍しい!」というポジティブで驚きのある情報ばかりが飛び交っています。
しかし飼育する上ではネガティブな情報も必要です。
飼育してから「こんなはずではなかった」「かわいそうに」と後悔しない様に、飼主さんになる人も情報収集を怠らないようにしましょう。
ブリーダーも飼主さんも、幅広い知識を身に着けて「ペットとの生活が豊かなもの」になるように努めましょう。
まとめ
人気の犬種コーギーも遺伝病を発症しやすいことが分かりました。
この背景にはメディアによる情報の偏りや流行、ブリーダーの無自覚で身勝手な繁殖によりリスクが高まります。
「一家の可愛い家族になる子が、可愛そうな人生をおくらなくて済むように」飼主さんになる人の知識も大切です。
コーギーを飼いたい人は、そのペットショップ・ブリーダーさんが信頼できるのか確かめてから購入するようにしましょう。