免疫力が少なく、何かとデリケートになる赤ちゃんとペットとの生活では「一緒に生活して良いか」悩む人も多いようです。
しかし、もともとペットを飼っていた人は「子供が生まれたから」といってペットと離れて過ごすことはできないでしょう。
また、ペットとの生活はネガティブなことばかりではありません。むしろポジティブなことが多いことも分かっています。
ペットの存在
ペットは朝夕の散歩や給餌・掃除、毎日のブラッシング・月に1回程度のトリミング等とお世話が大変です。
しかし、赤ちゃんと同様「いるだけで報われる気持ちや癒し」があります。
そして赤ちゃんが生まれれば、ペットは自分と同じくらいの(または小さい)赤ちゃんのことを気に掛けてくれることがあります。
ペットには与えるばかりと思っていても、実際は与えられていることが多いのですね。
また一緒に居てくれるだけでストレス発散にもなります。
家族にとって、愛情をむけられる相手(ペット)が居ることは癒しになります。
そして赤ちゃんは、小さな頃からペットに触れる機会が増えることで、感受性豊かで思いやりのある子に育ってくれるでしょう。
ペットを通じて小さな生き物や他者を大切にする気持ちが芽生えます。
生まれた時からペットと過ごしている場合は、赤ちゃんにとって相棒そのものです。兄弟が少ない子にとっては、兄弟の様に仲良く・絆もより深まるでしょう。
人はスギやダニ等のアレルギーを持っている人が多いですよね。中には動物のアレルギーを持っている人もいます。
そして「(アレルギーの原因となる)アレルゲン」を持ち込みやすいペットの存在は、免疫力が低い赤ちゃんにとって脅威と思われることもあるでしょう。
しかし、無菌で育つような「何もない環境」よりも、ペットと一緒に過ごして「アレルゲンに強い体を作る」方が健康的な子供に育ってくれます。
「アレルゲン」は、ペットの毛・フケ、よだれ、尿に触れることで体内に侵入します。
体内に侵入した物質の内「体に悪い物・何らかの異物と(体が)認識した場合」は過剰な反応が出ることがあるのです。
その結果として異物(アレルゲン)を排除すべく、くしゃみや鼻水として除去されます。
これらの免疫が過剰に働いて、体に悪影響を及ぼさないようにするためには、生活上のある程度の菌も必要なのです。
アレルゲンは一定量以上取り込まれることでタンパク質の一種「IgE抗体」が生成されます。
この抗体ができるとアレルゲンの反応に影響を及ぼし、喘息等の呼吸器症状を引き起こしてしまうことがあるのです。
また、アレルギー持ちではなかったのに、ペットを飼って数年経ってからアレルギーを発症する人もいます。
普段の生活では触れることが無い細菌も、赤ちゃんの頃から慣れ親しんでいた方が健康的で、風邪もひきにくい体にすることが期待できます。
「赤ちゃんとぺットの共存」では、人間の医師と獣医師でも判断が異なるようです。
デリケートな赤ちゃんと過ごすことで人間には無い細菌の影響も考えられます。一般的には、生死に影響を与えるほどではありません。
ただしペットが感染症になってしまった場合は、重大な影響も考えられます。このような事態にならないためにも必要な予防接種・定期健診は必ず受けさせるようにしましょう。
また猫の場合は、糞に触れることでトキソプラズマ症にかかってしまう場合もあります。妊婦や新生児は特に気を付ける必要があります。
一方で、もともとペットを飼っていて赤ちゃんと生活する場合は、感受性が豊かになることが期待できます。どちらかが良い悪いではなく、人間社会と同様に共存し合っていきたいですね。
赤ちゃんが生まれるときには「免疫力が低いから」といってペットを親戚・友人宅に預けることは避けましょう。
ペットにとって家が変わることはとても大きなストレスになります。人間不信に繋がることもあるでしょう。
そして久しぶりに帰ったら知らない赤ちゃんが中心になっているのです。
赤ちゃんとの生活やペットの気持ちを考えたら、部屋をこまめに掃除して一緒に過ごした方が皆ハッピーで健康的に過ごせます。
赤ちゃんとの生活では「ペットと一緒に飼うのが問題」なのではなく「飼主さんがペットや部屋を清潔な状態に保てているか」が問題だと分かりました。
部屋・ペットのケージはこまめに掃除をしてアレルゲンの影響を抑えます。特に毛が生え変わる時期になるとペットの毛は抜けやすくなります。
家の中はコロコロを使って確実にペットの毛を除去できるようにしましょう。家の中は毎日喚起をして空気を入れ替えます。
空気清浄機があれば、家の中のアレルゲン対策も期待できるでしょう。
また、ほこりは寝ている間に床に落ちていきます。赤ちゃんは布団ではなくベビーベットで寝かせてアレルゲンの影響を防ぐようにしましょう。
家の中にアレルゲンを持ち込まないために、ペットは毎日ブラッシングをして、汚れはこまめに拭き取り定期的にシャンプーしてあげる必要があります。
しかしシャンプーのし過ぎはペットの免疫力を下げる原因になるため、月に2回を目安に洗ってあげると良いでしょう。
シャンプーもペット用の刺激が少ないシャンプーを使ってフケやダニ、汚れを排除します。シャンプー後はしっかりと乾かして風邪もひかせないよに注意しましょう。
新生児の免疫力が少ない赤ちゃんに対しては、ペットのよだれの影響が無いように「むやみに舐めさせないトレーニング」を行う必要があります。
ペットは「自由に部屋を行き来できる時間を制限する」「赤ちゃんが生またときには顔会わせをしておく」ことも大切です。
そしてペットも赤ちゃん返りのように、いつもはできることを失敗してかまってもらおうとすることがあります。
このときもむやみに怒らずに、トイレの汚れはしっかりと拭き取り、無駄吠えはしつけ直して快適な生活が送れるように整えてあげましょう。
赤ちゃんとの時間が増えても、ペットと遊ぶ時間はしっかり確保してあげるようにしましょう。
さいごに
ペットは種類によっても性格が異なります。犬なら犬種によっても「気性が荒い性格であったり」「穏やかな性格」等さまざまです。
そのためペットは赤ちゃんと部屋を分けて、相性を見ながら徐々に関わる機会を増やせるようにしましょう。
犬の場合は群れで生活することから優劣関係ができます。一方、猫の場合は家と外を行ったり来たりできることでアレルゲンを持ち込みやすくなります。
ペットは種類に合わせて赤ちゃんへの対策がとれるようにしておきます。
ペットは「赤ちゃんができたから」という自分達の理由だけで保健所(殺処分)に渡すようなことだけはしないようにしましょう。