肺がんや心筋梗塞などの病気のリスクが高まる受動喫煙。
人体に様々な悪影響を及ぼすタバコを吸うことで、周りの人にもダメージを与えます。
嗅覚に優れているペットも、受動喫煙の健康被害が出るかもしれません。
そこで今回は喫煙とペットへの影響についてまとめます。
ペット(犬・猫)の受動喫煙
主流煙とは、喫煙者が吸うタバコの煙のことです。タバコにはフィルターが付いているので、有害物質はろ過されて少なくなります。
副流煙とは、喫煙者が吸っていない時に出るタバコの煙のことです。
周りの人やペットは、喫煙者が手に持っているタバコの煙で受動喫煙することになります。
副残煙とは、衣服や環境に煙の有害物質が付着することです。
ペット(犬・猫)の受動喫煙と死亡率
年間で約13万人も亡くなっている喫煙者。
その被害は喫煙者本人だけではなく、周りの人やペットの健康を損なうことにも繋がります。
実際にも、受動喫煙者は年間約6800人も亡くなっているのです。
ペットの受動喫煙に関しては5~6倍以上の被害を被っています。
ペットとより長く一緒に生活するためにも、ペットの受動喫煙は防ぎたいところですよね。
ペット(犬・猫)の受動喫煙「一時的な満足感」
20歳になると社会的に許される喫煙。
喫煙者は、タバコを吸うことでニコチンが摂取でき満足感などを得ることができます。
しかしタバコの副流煙に含まれる4000種類ほどの化学物質は、人やペットの体を蝕むことになるのです。
喫煙者の一時的な満足感と引き換えに、ペットが長期間に苦しむのは嫌ですよね。
ペット(犬・猫)の受動喫煙「病気のリスク」
ペットの受動喫煙による悪影響には以下のようなものもあります。
・ガン
・細胞損傷
・体重の増加など
他にもペット(犬・猫)の受動喫煙は、心臓循環器系や呼吸器系、皮膚やアレルギー、眼の炎症、猫の喘息などにも関係してきます。
飼い主さんは、家族への配慮と共にペットにも配慮する必要がありそうです。
ペット(犬・猫)の受動喫煙「発癌性」
副流煙に含まれる発癌物質のベンゾビレンは、他の発がん性物質よりも強力です。
主流煙と比べると、ベンゾビンによる発がん性は約4倍!
一酸化炭素やアンモニアと比べると約5倍!ホルムアルデヒドと比べたら約50倍の悪影響があります。
つまり喫煙者は、周りの人やペットに甚大な被害を与えることがあるのです。
因みに飼い主さんが喫煙者だと、ペット(犬)の発癌率は1.6倍にもなります。飼い主さんは、ペットの健康のためにも禁煙を考えてみるのはいかがでしょうか。
ペット(犬・猫)の受動喫煙「喫煙本数」
飼い主さんは、タバコを1日に10本吸うとペット(猫)のニコチンレベルは高くなります。
去勢されたペット(犬)にとっては「細胞損傷」の指標が高くなり、去勢後の体重増加が著しい結果になりました。
このような結果を見ると、喫煙者の家にペットを連れて行くのは気が引けますよね。
公園では、タバコの煙を避けて散歩しなければいけません。喫煙者は、生き物のためにも喫煙する場所には気を付けたいですね。
ペット(犬・猫)の受動喫煙「ビタミン」
喫煙者は喫煙によって、ビタミンCが約70mgずつ破壊されていきます。
因みに、成人のビタミンC必要量は1日100mgです。
ペット(犬や猫)は、体内でビタミンCが作られるのでビタミンCを摂取する必要はありません。
それでも、飼い主さんはペットのビタミンCも破壊しないように気を付けたいですね。
ペット(犬・猫)の受動喫煙「副残煙」
ペットは毛を舐める(グルーミング)で、被毛や皮膚に付着したタバコの有害物質を摂取してしまうことがあります。
つまり副残煙によって、ペットは鼻腔や口腔、肺などにも癌や腫瘍ができてしまうことがあるのです。
ペット(犬・猫)のリンパ腫に関しては、除草剤と同じように受動喫煙が原因の1つと考えられています。
※ペット(猫)のリンパ腫は、5年以上受動喫煙に晒されると2~3倍発症しやすくなると推定されています。
※猫白血病のリスクも、副流煙に5年間以上晒されると2倍発症しやすくなります。
ペット(犬・猫)の受動喫煙「医療技術」
医療技術が上がり、ペットも長生きできる時代になりました。
それでも飼い主さんが病気になる要因を増やすのは避けたいところ。
灰皿の上に置いたタバコの副流煙は、部屋中に広がってペットにも悪影響を及ぼします。
ペットは人よりも背が低いので、煙草の煙を吸いやすいのです。
ペット(犬・猫)の受動喫煙「受動喫煙の量」
背の低いペットは、床周りのほこりやゴミを吸いやすい環境にあります。
タバコの煙の有害物質の粒子は比較的重く、喫煙後には下降します。つまり床で寝ている赤ちゃんや背の低いペットは受動喫煙の量が多くなるのです。
有害物質がカーペットや布団に付着すると、赤ちゃんやペットの健康を損なうことに繋がります。
飼い主さんは、部屋の中での喫煙にも注意したいですね。
ペット(犬・猫)の受動喫煙「犬種」
犬種では、大型のペット(犬)よりの小型犬や猫の方が被害に遭いやすいタバコの煙。
大型犬なら比較的安心というわけではなく、犬種によっても悪影響の度合いは異なります。
基本的には、喫煙者と一緒に生活する犬は肺癌のリスクが60%以上になることが明らかになっています。
ペット(犬・猫)の受動喫煙「マズル」
ダックスフンドなどのマズルの長い犬種は、鼻腔ガンのリスクが高まるタバコ。
グレーハウンドやコリー、シェパード等のマズルの長い犬種は、鼻腔ガンのリスクが2倍になると言われています。
一方、パグやフレンチブルドッグ、ボストン・テリアなどのマズルの短い肺癌のリスクが2倍に高まります。
犬や猫の種類に関わらず、飼い主さんは喫煙の配慮を怠らないようにしましょう。
まとめ
小さなお子さんがいる家庭では、当たり前のように配慮する喫煙。
しかし、受動喫煙の健康被害はペット(犬・猫)も同じです。
飼い主さんは、いくら分煙しても衣服や部屋の副残煙で、ペットは受動喫煙してしまうことがあります。
最近の研究では、ペットのアトピー性皮膚炎まで発症させてしまうことがあるのです。
飼い主さんが喫煙者の場合は特に、禁煙を考えてペットと健康的生活を送るのもいかがでしょうか。