意外にも飼育可能とされているハナグマ(アカハナグマ)
動物園で見かけることもあるハナグマは、どのように飼育したら良いのでしょう。
ここでは、なかなか知られていないハナグマの飼育方法についてまとめます。
ハナグマ(アカハナグマ)とは
ネコ目アライグマ科ハナグマ属に分類されるハナグマ (アカハナグマ)。
ハナグマ (アカハナグマ)は、 南米のアンデス山脈の中でも東の方に生息している生き物です。
具体的には南アメリカ中央部~ブラジルやパラグアイ、ガイアナ、スリナム、ベネズエラ南部、コロンビアの南東部、ペルー北東部、ボリビアの北部などに生息しています。
これを見ると高地の森林でしか生息できないように思いますが、低地の草原地帯でも生息できますよ。
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育「生息環境」
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育の前には、ハナグマの生息環境についても知っておきたいところ。
アンデス山脈は、標高2500m程にもなる極寒の環境になります。
しかしハナグマ(アカハナグマ)は、海岸近くでも生息できる生き物。
つまり比較的その場所の環境に適応できる種類となっています。
森林地帯や二次林の環境、海岸の環境も大好きです。
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育「大きさ」
ハナグマ(アカハナグマ)は体長45~65cm・体重2~6kg。
しっぽは40~65cm程度の生き物です。寿命は7~8年程度とされています。
しかし飼育下だと14年~最高17年まで生きた記録もある長生きのペットとなっています。
そんなハナグマ(アカハナグマ)の取引価格は20~60万円程度です。
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育「見た目」
ハナグマ(アカハナグマ)はタヌキやアライグマ、アナグマ、イタチにも似た生き物です。
そんなハナグマの体型はスレンダーで、四肢は長め。
被毛カラーは、個体差があるのも面白いですよね。
被毛カラーには赤や橙赤、灰褐色~褐色、茶褐色、茶色などがありますよ。
※しっぽにはアライグマのようなリング状の縞模様があり、これにも個体差が出ます。しっぽのカラーは、薄くなる子もいるようです。
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育「特徴」
ハナグマ(アカハナグマ)は細長く・尖った鼻を持っていて、何とも言えない魅力があります。
鼻は嗅覚にも優れていて、器用に動かすことも可能!
因みに「鼻を鳴らすこと」はコミュニケーションの1つにもなっているようです。※群れの中でよく使います。
特徴的な鼻に対して、ちょこんとある小さな耳も可愛い!
大きな目でジッと見つめられたら、飼い主さんはイチコロです!
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育「危険なポイント」
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育で気を付けるポイントには「シッカリとしたかぎ爪」と「犬歯」があります。
このかぎ爪は木を登ったり、樹を裂いて餌を探すときにも有効!四肢の5本の指にある、長く・湾曲した前肢の爪は、土を掘って節足動物・昆虫を食べる時にも役立ちます。
しかし飼育するときには、過って飼主さんも引っかかれることがないようにご注意ください。
ハナグマ(アカハナグマ)は、犬歯も鋭い生き物なので、噛まれないように気を付けてくださいね。
※まだまだ情報が少ないハナグマ(アカハナグマ)の飼育では、果実が採れるデリケートな繁殖の時期にも気を付けた方が良いかもしれません。
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育環境
出典:via LolBoom
ハナグマ(アカハナグマ)は木登り・泳ぐことも得意なので、比較的大きく・広い飼育環境が必要になります。
登り木やプールを用意しなければいけない点からも、飼育できる人は限られてきそうです。
基本的には緑が多い環境で、ある程度手入れされている木が何本か必要。
ハナグマは、定期的に散歩もしてあげてストレスなく過ごさせてあげられると良いですね。
単独の飼育と考えると、メスよりもオスの方が単独生活(飼育)に向いていそうです。
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育「フード」
ハナグマ(アカハナグマ)は雑食性の生き物です。果物や昆虫、小動物・無脊椎動物も食べます。
農作物や鳥、鳥の卵、家禽も食べられますよ。具体的には、ネズミなどの小動物やトカゲなどの爬虫類も大好物です。
動物園では、ウッドチップの上にミルワームという昆虫の幼虫も与えていました。
実際に飼育している人はリンゴとバナナ、モンキフード(SPS)、ドックフード(小粒の歯磨き粉入り)を混ぜた55gを与えているようです。
ご飯は1日2回で、おやつにみかん1個あげるなどしてバランスよく与えていました。
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育「性格」
ハナグマ(アカハナグマ)はとても賢く・飼主さんにも懐いてくれる、飼いやすいペットになります。
抱っこも大好きですし、芸達者でもある生き物です。「待て」も覚えてくれますよ!
そんなハナグマ(アカハナグマ)は昼・夜活発に行動できる生き物で、基本的には昼行性というのも魅力的。
飼主さんは、ハナグマと生活リズムが大きく異ならない点でも仲良くなれそうです。
ハナグマ(アカハナグマ)の飼育「人と同じ蹠行性」
ハナグマ(アカハナグマ)は、人の様に「足の裏全体を使って歩く」蹠行性の生き物です。
ハナグマ(シロハナグマ)の全長の半分を占めるしっぽは、木登りやバランスをとるのに役立ちます。
これらの特徴により、垂直の樹も楽々登ることができ、樹上では活発に動きまわることもできます。
食料を探すときにはしっぽを真っ直ぐに立たせて素早く移動するのも必見!
木の上で眠ることもあって可愛いですよ。
まとめ
これまでを振り返ると、敷地が広く・比較的静かな環境と金銭的余裕があれば飼育できそうなハナグマ(アカハナグマ)
しかしワシントン条約では、サイテス3(附属書III)に属していて(国によっては)採取や捕獲を防止、また制限する規制がある生き物となっています。
つまり飼育するには、その国の許可を受けなければなりません。餌は、生き餌なども「バランス良く与えなければいけない」となると大変!
ハナグマは動物園で親しむ程度が1番と言えそうです。