カワウソが可愛い、一緒に暮らしたい人増加中
長崎、対馬で38年ぶりにカワウソが見つかったと話題になりました。絶滅されたとしているニホンカワウソか韓国や中国に生息するユーラシアカワウソなのかはハッキリしていないようです。
2017年10月29日に日本の21歳の女子大生がタイからカワウソ10匹をスーツケースに入れて持ち帰ろうとしたところ、バンコクのドンムアン空港で見つかり逮捕されました。女子大生は違法の意識はなかったというが逮捕はされてしまう。
女子大生は、日本円3000円でカワウソを買って持ち帰り売ろうとしたのかどうかわかりませんが、飼うには数が多いです。これは犯罪の話ですが、それほどカワウソは人気があるのです。
海外でもインスタグラム上でかわいいと話題
英語ではOtter(オター)と呼ばれるカワウソ。ペットとしての飼育は海外では普通のようです。
2016年に公開された映画、「ズートピア(Zootopia)」でもカワウソが登場しています。
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日本ではまれでほとんど動物園や水族園でしか見ないカワウソ。
いったいどんな生き物なのでしょうか?
まずはカワウソについて少し知っていきましょう。
カワウソとは
川や湖などに生息するイタチ科カワウソ亜科の哺乳類です。カワウソ亜科には他にラッコが属しています。
世界全域(オセアニア周辺を除く)の水辺や海上に生息しており、泳ぎが得意な動物です。
主に家庭で飼育されるのはコツメカワウソという種類で、その名の通り爪が小さく、水かきをもち、体長は約41~64cm、体重は2.7~5.4kgです。重さは生まれたての赤ちゃんより少し大きく、小型犬くらいですね。
胴体が細長く短足で、水の抵抗が少ないので早く泳ぐことができます。
生後9週間で泳ぎを覚えます。
下毛と長い剛毛が水をはじくため水中で体温が奪われないようになっています。
また、耳、目、鼻が水平に並んでいるので、これらを同時に水面上に出して水面外の様子を伺うことができ、水中では耳孔や鼻孔を閉じる事ができます。
カワウソの食生活
カワウソは肉食で、ザリガニ、カエル、魚、貝など水中の動物を捕まえて食べます。歯が発達しているので骨まで砕いて食べることができます。飼育の際はフェレットフードやドッグフード、キャットフードを与えても喜ぶようです。与える時はドジョウやカエルをプールに放して生け捕りをさせると良いです。その方が栄養価が高く、カワウソは狩りの習性があるため欲求を満たしてあげることができます。
マレーシアでは人間の漁業の手伝いをするほど、狩りが達者なのです。
カワウソと生きていく
日本ではかつてニホンカワウソが絶滅し、現在飼われているのは主に東南アジアから来たコツメカワウソという品種です。
爪が丸く指がぷにぷにしているので、引っ掻くことがなく思う存分に触れ合うことができます。
その習性から親の真似をして育つ生き物で、とても賢いのでしつけがしやすい動物です。
飼いたい!という方。メジャーなペットではないので珍獣ショップなどに問い合わせてみましょう。
また、万が一のため事前にカワウソの生態に詳しい病院を調べておくことも大切です。
カワウソの寿命は平均して12年程度。飼う場合は最後まで責任をもって飼育ができるか一度考えてみましょう。
カワウソの臭い
カワウソの体臭は犬や猫と比べかなりキツイです。獣臭とエサから来る生臭さがあります。
触るとにおいが移ることもあるので、お風呂に入れてあげたり一緒に入るといいでしょう。
動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=ZCLKXeGI1bk?rel=0&w=560&h=315
飼い主とのお風呂が大好きな様子が伝わってきますね♪
かかりやすい病気
●食欲不振
ストレスを抱えやすいので食欲不振になりがちです。それによって新たな病気を招くこともあります。
注意深く様子を見てあげる事、異変に気付いた場合は早めにお医者さんに診てもらうことが大事です。
●寄生虫・感染症
カワウソの食事は生ものが多いので、それに潜む寄生虫が体内に入ってしまう事があります。
マイナス20℃以下で48時間以上冷凍してから、または70℃以上の熱で加熱をしてから与えるなど
少し工夫をして事前に病気を予防しましょう!
流しカワウソ
ここまででカワウソに興味を持ったけど、やっぱりお家では飼えないという人に朗報です。
千葉県の市川市動植物園ではカワウソの流しそうめん、その名も”流しカワウソ”をお目にかかる事ができます。
飼育員が考案したカワウソ専用のウォータースライダーを楽しむ様子が流しそうめんに似ている(似せている?)ことからそう呼ばれています。
https://www.youtube.com/watch?v=0EUiHpWHIcE?rel=0&w=560&h=315
気持ちよさそうですね。見ているだけで癒されます。
ただし「流れるかどうかはカワウソの気分次第」のようですので気長に待ちましょう。
昼前後は日向ぼっこをしてダラダラ過ごすのが好きなようなのでその時間帯を避けるのがいいようです。
人気の裏で問題と危機
●絶滅の危機
カワウソは世界的に現在生息する種類の大半が絶滅の危機にあると言われています。
コツメカワウソは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいて「絶滅危惧Ⅱ類」(絶滅の危機度が向上している種)に分類されています。
そのためカワウソの輸出には政府発行の許可証が必要になりますが、ペットとして人気を博している裏では東南アジアから日本への密輸が増えているのです。
また、コツメカワウソは基本的に群れで生活をするため、一頭ではストレスを抱えてしまう場合があります。カワウソの事を考えると、できれば2頭以上で飼いたいものですね。
●ペットとして飼うためには苦労も
例えば犬なら”棒を投げて取ってくるのが好き”、”しっぽを振るのは嬉しい・興奮しているサイン”というようにある程度の知識が無意識に頭にありますが
カワウソの場合、専門の研究者などが知人にいない限り、細かい飼育方法などは一から自分で調べる必要があります。食料や光熱費、水遊び用のスペースの確保、しつけ、臭いの予防と対策、鳴き声、鋭い歯で噛む、専門の病院探しなど、他人に頼らず自分で飼育方法を開拓していく必要があります。
また誤飲をしないか注意すること、休みなしに遊びに付き合ってあげるなど、赤ちゃんを育てる程度の覚悟をした方が良いかもしれません。
最後に
カワウソはとても利口な生き物で、きちんとしつけをすればトイレの場所はもちろん、
器用な手先を使った芸をする事もできます。
丸い輪郭とくりっとした目で見つめるその表情は抱きしめたくなるほど愛くるしく、
仕事の疲れも吹き飛ばしてくれるでしょう。
また、遊んだり触れ合うのが大好きな動物なので休みの日は存分に遊ぶことができます。
犬のように部屋の中を暴れ回ったり(性格によってはあり得るかも?)猫のように家中を引っ掻く心配がないので安心ですね。
しかし、やはり日本ではまだ珍しい生き物。もとはと言えば野生動物なので、一家の一員に迎える際は飼育方法や技術をきちんと下調べしてからにしましょう。