うさぎは1年を通して発情行動がみられる生き物です。
うさぎの発情期にはどのような行動がみられるのでしょう。うさぎが妊娠したときの飼主さんの対処法もまとめます。
うさぎと発情期
うさぎは大人になると常に排卵できるようになり、生後数か月後で発情行動が見られます。
発情期の時期としては春(1月後半頃が目安)とされていて発情行動が目立つようになります。
ただ、うさぎには発情期とされる春以外でもゆるやかな発情行動があります。
では、雄と雌ではどのように発情行動が異なるのでしょう。
《うさぎの発情期と抜毛》
メスのうさぎは、妊娠して赤ちゃんが生まれる1週間前から「産室を作るための行動」が目立ちます。
※この本能は、偽妊娠でもホルモンのバランスが変化して起こります。
産室は抜毛や牧草で作ります。
素材が無いと必要以上に毛を抜くことがあるので、この時期の牧草は多めに用意してあげると良いでしょう。※抜毛は2週間程続くことがあります。
抜毛がひどいときには、優しくブラッシングをしてあげましょう。
オスうさぎの発情期
オスうさぎの発情行動は以下の通りです。
・人懐っこくなる、甘えん坊になる
・トイレを失敗することがある
・飼い主さんの手足やぬいぐるみにもマウント行動をすることがある
・スプレー(おしっこを飛ばすこと)が増える
・落ち着きがない
・怖がりやすい
・警戒されることもある、闘争心をむき出しにされることがある
・食欲低下(「興奮」「落ち着きの無さ」「餌の好みの変化」等)
オスのうさぎは鼻と喉でプゥプゥと音を出して甘えてくることが増えます。
《オスうさぎの発情期と対策》
マウント行動では、怒らずにぬいぐるみやボールに意識をそらして飼主さんへのマウント行動をやめさせましょう。※ウサギの方が立場が上と判断されないようにします。
オスうさぎは発情期になるとトイレを失敗することが増えて、臭腺からは発情期特有のにおいを出すことがあります。
発情期のおしっこは、ケージが汚れやすくなるので除菌シートを使って掃除をしましょう。
うさぎの餌では発情期に必要な栄養素を好んで食べます。フードはタンパク質・脂質の多いフードと使い分けて食欲低下がひどくならないように注意しましょう。
あまりにも食欲が無いときには、動物病院で注射をして食欲を回復させてあげましょう。
メスうさぎの発情期
メスの発情行動は以下の通りです。
・赤ちゃんを守るための行動、怒りっぽくなる
・柔らかくて発情期特有のにおいの強いうんちをする
・トイレの位置を気にする、トイレを移動させることがある
・トイレを失敗することがある
・隅を掘って赤ちゃんを産む体勢を整える
・神経質になる
・初めての発情を迎えるウサギは、特に闘争心をむき出しにすることがある
メスうさぎも普段よりも発情期特有の「においの強いうんち」をしますが、デリケートな時期なので綺麗にし過ぎないように静かに掃除をしましょう。
《メスうさぎの発情期と対策》
メスうさぎの発情期では、普段よりも怒りっぽくなります。
また出産・育児期間以外でもイライラしやすくなる子もいるようです。
「ケージを掃除するとき」や「自分の持ち物を触られるとき」には、ブーブー、プーと自己主張して「触るな」と訴えてくることもあります。
うさぎが騒がしくしている時には、静かに優しく声掛けする程度にとどめた方が良いでしょう。
うさぎの発情期「穴掘り・足ダン」
穴掘りとは、巣穴を作るための行動です。
主にアナウサギ属のうさぎに見られる行動です。※ペットとして飼育されているうさぎも、ほとんどがアナウサギ族となっています。
穴掘りの他にも、発情期には歯でかじる行動や足ダン(足で床をダンッとける行動)等も見られます。
神経質で怒りっぽくなっているので、散歩の時間を多くとって気晴らしさせてあげると良いでしょう。
うさぎの発情期「ストレス発散」
うさぎの足ダン(スタンピング)は、それだけでもストレス発散になっています。※本来は「怒っている時」や「飼主さんに何かを要求するとき」にもみられる行動です。
うさぎが神経質になっているときには、ある程度放っておいて、散歩の時間にはたくさん遊ばせてあげます。
問題行動が見られるときにはケージに戻して落ち着かせたり、飼主さんも距離を置きましょう。
※ケージにはストレス解消用のかじり木や牧草を入れておきます。
「イライラしていたり、オス同士のうさぎの飼育では他のうさぎへの攻撃行動(毛を抜いたり、マウンティングをする等の行動)も強くなります。
場合によってはうさぎを離してあげることも大切です。
筆者の家のうさぎと発情期
私の家でも「赤い目に白い被毛の白うさぎ」と「パンダのように茶色の目に白黒の被毛をしたダッチ」を飼っていました。
厳密に言えば「黒目にグレーの被毛をしたチンチラうさぎ」も飼育していました。
一番元気なのが白うさぎで足ダンやマウント行動、スプレーも多め。
ダッチとチンチラうさぎは、神経質になっているときだけ発情行動が多く見られました。
この時期は警戒心が強く、イライラしやすいので騒がしい子供の頃はよくおしっこを飛ばされました(-_-;)。
うさぎの発情期「出産・育児」
うさぎの出産では、穴掘り行動からの抜毛・産室作りで巣穴に被毛を敷き詰めているところも見たことがあります。
せっせと口を使って体毛を抜き、被毛を綺麗に敷き詰めているところにはとても驚きました!
しかし、うさぎもみんながきちん子うさぎを育てられるわけではありません。
「親うさぎが望まなかった妊娠」であったのか「本能的に育て方が分からなかった」のか、育児放棄をされた子ウサギは飼主さんが育ててあげる必要があります。
親うさぎが子どもを踏んでしまったり、ミルクをきちんと与えないようなら子うさぎを親うさぎから離して飼育しましょう。
うさぎの発情期「スキンシップ」
メスのうさぎには偽妊娠というものがあります。
うさぎはお尻を触るだけで偽妊娠を引き起こしてしまうことがあるのです。人でいう想像妊娠のようなものです。
この時期は、偽妊娠の子も神経質になっているので過度に構い過ぎないように気を付けましょう。
さいごに
うさぎは発情期になると、普段はできていることが出来なくなったり、縄張り意識は強くなってイライラ…。
かと思えば、そわそわしたり甘えて来たり情緒不安定になっています。
人がイライラしている時には「放っておいて欲しい」のと同じで、うさぎも適度に放任、適度に関わって発情期を乗り越えられるように応援しましょう。
発情行動自体は、およそ1か月程度で落ち着きます。また、加齢によっても発情行動も落ち着くので気長に支えてあげましょう。