生きた化石とも言われているカブトガニ。
古くから形を変えずに生きてきた生き物には興味深々です。
出典:www.city.kasaoka.okayama.jp
カブトガニとはどういう生き物で、どのように飼育したら良いのでしょう。
カブトガニとは
カブトガニとは節足動物門 鋏角亜綱 剣尾綱 カブトガニ科の節足動物です。
天然記念物に指定されていて、野生では愛媛県西条市や岡山県笠岡市などに生息しています。
「田んぼで稀に見かけるカブトエビ」と混同するフォルム。
しかしカブトエビは甲殻類に属する一方で、カブトガニはクモやサソリに近い生き物と言われています。
カブトガニの飼育「種類」
カブトガニには、以下のような種類があります。
●日本や中国に生息する一般的な「カブトガニ」
●東南アジアに生息する「マルオカブトガニ」「ミナミカブトガニ」
●フロリダといった米国東海岸に生息する「アメリカカブトガニ」
アクアショップではアメリカカブトガニやマルオカブトガニといった海外産の個体が流通しています。
大型の個体に関しては高値で取引されています。
カブトガニの飼育「大きさ・価格」
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カブトガニは大きくなると50~60cmにもなります。
アクアショップでは3~7cmのベビーサイズを2000円程度で購入できるでしょう。
「マルオカブトガニ」「ミナミカブトガニ」は大きくても20~30cmで済むようです。
一般的には大きくなることを想定して、比較的大きな飼育容器を準備すると良いでしょう。
※50cm台まで成長することは至難の業です。
カブトガニの飼育「水槽」
カブトガニの水槽は、一般的な60cmの水槽でOK。
45cmの水槽でも十分ですが、ゆったり泳がせれば観賞にも最高!
底には粒の小さなサンゴ砂を3~4cmほど敷きます。
野生のカブトガニは河口付近に生息していて、弱アルカリ性の海水がベスト。
カブトガニの飼育「必要なもの」
汽水(淡水と海水が混在)でカブトガニを飼育したい場合は、東南アジア原産の「マルオカブトガニ」が良いでしょう。
ただカブトガニの飼育初心者は海水での飼育がおすすめです。
水槽にはろ過装置の他、海水・人工海水の素、テトラコンコロラインといったカルキ抜き、サンゴ砂、比重計・PH試験薬、えさ(アサリ、青イソメ、ゴカイ、人工飼料など)、プロテインスキマー、殺菌灯、ライブロック・エコバイオブロック等があります!
エコバイオブロック:砂の隙間に詰まった餌・糞を分解して、水質浄化を補助するものです。水交換の回数が減るのも嬉しいですね。
カブトガニの飼育「混泳はNG」
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カブトガニは年1回程度脱皮します。
脱皮直後は身体が弱くなっているので、他の魚からのダメージを受けやすくなります。
他にも、ガブトガニは貝類を食べて生活しているため、他の魚との混泳も避けましょう。
小さい頃は腹を水面に向けて泳ぐ姿は可愛らしいですよ。
カブトガニの飼育「温度」
カブトガニは、冬になると沖合の深いところで冬眠します。
飼育下では温度を管理。エアコンや水槽用クーラー、ヒーターで水温25~28度以下に設定。
飼育水は人工海水を用いて、分量は比重計でチェック!
夏場は海水が蒸発して塩分濃度が上がるため、定期的に比重計を見ながら調整しましょう。
カブトガニの飼育「サンゴ砂」
カブトガニの飼育では、一般的な海水魚と同じ飼育設備が必要です。
カブトガニは1日の9割近くをサンゴ砂の中に潜って生活しています。
隠れ場所があることは、カブトガニにとって安心・ストレス無く生活できることになります。
しかし個体に合った大きさのサンゴ砂でなければ潜るのも困難になるので、成長に合わせて砂の大きさも調節できると良いでしょう。
カブトガニの飼育「水質浄化」
カブトガニは、基本的に水を汚さない生き物です。
強めの水流は大丈夫ですが、水が汚れていると脱皮の時に障害が起きやすくなります。
水質浄化のために、水槽底面にライブロックを置くと普段から安定した水質を保てます。
サンゴ砂はカブトガニの潜る性質から、身を隠せる程の深さを用意してストレスを与えないように整えましょう。
カブトガニの飼育「餌」
カブトガニの餌は「活アサリ」「ゴカイ」「アオイソメ」などがあります。
大きくなったら「冷凍アサリ」「クリル(オキアミ)」も食べれるようになります。
カブトガニの捕食している様子は、底から覗き込まないと見れないかもしれません。
カブトガニの飼育「水質安定」
ろ過器は、機能が弱いので飼育水が汚れやすくない、やはり脱皮障害を起こすことがあります。
底砂の汚れには底面式フィルターも併用すると良いでしょう。
ただ底面式フィルターは定期的なお掃除が必要です。
砂中の汚れに関しても、水中に汚れが移った時には水質悪化に繋がるので気をつけましょう。
カブトガニの飼育「補助的な器具」
プロテインスキマーや殺菌灯は、補助的なものなので個体に合わせて使用してください。
●プロテインスキマー:微細な泡を発生させて、泡の力でゴミや糞を除去します。
細かい泡を多く生成できるのが「良いプロテインスキマー」とされています。
●殺菌灯:紫外線で雑菌を死滅させる効果が期待できます。ただ3ヶ月に1回の球の交換が必要です。
それでいて海水の温度は上昇したり、免疫力に弱い個体になることも考えられるので個体との相性を見る必要がありそうです。
カブトガニの飼育「経験」
筆者も小さな頃、学研の飼育キットでカブトガニを育てた記憶があります。今販売されていないところをみるとカブトエビだったかもしれません。
はじめは本当に小さな薄透明の個体で探すのも大変!
それが3~4cm程に大きくなってゆらゆら泳ぐ姿も見ていて楽しかったですね。
砂の中に潜る姿も可愛かったです。
ただいつからか顔を出さなくなってしまって「何が起きたのか分からない」状態でした。
今思えば「砂に潜ったままだった」とか「冬眠」の可能性もあったのかもしれません。
まとめ
出典:karapaia.com
恐竜たちが生きていたとされる約1億9000年から姿を変えずに生息しているカブトガニ。
ロマン溢れる生き物は、小さな子供と一緒に飼育するのもおすすめ!
普段は見かけないエイのような生き物は、ベビーの頃から飼育して成長する様子も楽しみたいですね。