いつでも樹にぶら下がって寝ているナマケモノ。
ナマケモノは「動物園に行かなければ会えない」と思いきやペットとして飼育可能!
出典:www.kobe-ojizoo.jp
そこで今回は、ペットとして飼育できる「フタユビナマケモノ」の飼育についてご紹介します。
フタユビナマケモノとは
フタユビナマケモノとは有毛目フタユビナマケモノ科の生き物のことです。
ナマケモノの中でも知られている「フタユビナマケモノ」は、中央アメリカ~南アメリカに分布しています。
生息地域は湿度の高い熱帯雨林などの密林地帯。
大きさは60~70cm、体重は4~9kg程度です。しっぽはありません。
寿命は30年程度なので「比較的長生きしてくるペット」と言えそうです。
フタユビナマケモノの特徴
フタユビナマケモノの頭長は短く、輪郭は丸いです。耳は、外側からは見えにくくなっています。
「樹上で生活する」だけではなく「木の枝にぶら下がって生活」しているフタユビナマケモノ。
手足の先端は細く・湾曲していて前足には2本ずつ、後ろ足には3本ずつ指があるのが特徴。
フタユビナマケモノは「前足が2本指」ということから、この名前が付いたんですね。
またフタユビナマケモノに限らず、ナマケモノはすべて後足よりも「前足が長い」です。
フタユビナマケモノの爪
鋭い鉤爪を持つフタユビナマケモノ。
この爪で、樹の「枝から枝への移動」も「樹上生活」も楽々!
野生下ではジャガーやピューマなどの天敵が現れた時には、近くの苔に偽装。
普段はのんびりしているのに、攻撃されようものなら「前足の2本の爪」で相手に反撃!
また、フタユビナマケモノは仮に傷を負っても、優れた回復力で「たちまち元気になる」珍しい生き物です。
フタユビナマケモノの行動
フタユビナマケモノの生態は、本当に面白い!
夜行性のフタユビナマケモノの行動範囲は、0.01~0.65k㎡程度ってちょっと分かりにくいですよね。
そんなフタユビナマケモノは、地上で立つことも・歩くことも苦手!移動のスピードは1時間で16m!
しかも地上を歩く時には爪をどこかに引っ掛けた上で這うように歩くなんて、本当に樹上での生活が合っているのですね。
しかし、泳ぎは得意なようで「川に入って対岸の樹まで移動」などは出来るようです。
ペットとして取引されるフタユビナマケモノ
ペットとして飼育できるナマケモノは、主に「フタユビナマケモノ」「ミユビナマケモノ」がいます。
一般的には「フタユビナマケモノ」の方がメジャーです。
価格は70~100万円となっています。
ナマケモノ自体珍しい生き物になるので、販売ルートはネット購入が基本です。
飼育は、温度と湿度の管理が徹底されて入れば問題ありません。※室温は30度・湿度は70%にコントロールします。
フタユビナマケモノの被毛
「フタユビナマケモノ」は黄灰色~灰褐色の長い被毛が特徴的!
被毛はいつもぶら下がっているので毛は逆に生えている印象になります。
野生の子になると「苔が生えている子」もいるようです。
まるでジブリの「もののけ姫に出てくる生き物」のような自然との一体感!
またフタユビナマケモノは意外にも歯は伸び続ける生き物で、首は360度とはいきませんが270度ぐるっと見回すことも出来ます。
フタユビナマケモノの五感
普段はボーっとしているものの、視覚も嗅覚もしっかりしているフタユビナマケモノ。
しかし「聴覚はあまり良くない」ようです。
耳より、目や鼻(ニオイ)の情報を積極的に得るフタユビナマケモノ。
そんなフタユビナマケモノは、1日のうちの15~18時間は樹につかまったまま睡眠。
水分は、植物や昆虫などを食べることで摂取しているようでした。
フタユビナマケモノの食性(餌)
普段は木の芽・葉や果物を食べているフタユビナマケモノ。
そんなフタユビナマケモノをペットとして飼育する場合はバナナやリンゴ、人参、キャベツ、きゅうり、小松菜などを与えると良いでしょう。
大きさは、口の大きさに合わせて小さくカット!
初めは「購入先で与えていたもの」から食べさせて、環境に慣れてもらうことから始めましょう。
食べ物は樹にぶら下げたり、天井に吊るしておいても良さそうです。
フタユビナマケモノ「部屋の掃除」
出典:www.biopark.co.jp
普段は、ほとんどの樹の枝にぶら下がっているフタユビナマケモノ。
そんなフタユビナマケモノの排泄は、意外にも樹の根元に折りてきて、土の中に埋めるというご丁寧なもの!
排泄の回数も1週間~10日に1回で済むようです。
土は、ペット用のトイレ砂を用意してあげると良いでしょう。
ただ湿度の高さでは、カビやコケなどが生えないようにメンテナンスする必要はありそうです。
フタユビナマケモノは変温動物
ナマケモノは、哺乳類では珍しい変温動物です。
そのため気温によって体温を微調整!体温は24~35度に保ちます。
これにより普段のエネルギー量もコントロール!
ただ気温に適応しやすい一方で、大事な「栄養吸収用のエネルギー」も消費し過ぎてしまうことがあるので要注意。
こうなると「きちんとご飯を与えていても、消化が悪く、衰弱して死んでしまう事がある」ので気を付けましょう!
※飼育する場合は体温調整の為に、樹の上にも日陰となるスペースを作ってあげましょう。
フタユビナマケモノの繁殖
フタユビナマケモノは、1産で1子を出産する生き物です。
繁殖期は3~4月ころで、妊娠期間は6~12ヵ月になります。
このように妊娠期間に差が生じるのは、ナマケモノが妊娠期間をコントロールできる生き物だからです。
つまり精子の体内貯蔵~着床まで全てコントロールできるのですね!
フタユビナマケモノは交尾や出産・子育ても樹上で行い、妊娠後は1子を大切に育てます。
フタユビナマケモノの子供
妊娠4週まではお母さんの体に隠れていて、生後10週になると食べ物目当てにゆったり動いてい見たり…。
画像で見るとちょっとビックリしますが、フタユビナマケモノの子供の大きさは25cm程度で、体重は350g~450g程度。
目はすぐに開けますし、爪なども出来上がっています。
樹上生活が出来るのは生後9カ月程度になるようです。
そんなフタユビナマケモノの雄が性成熟するのは4~5年、雌は3~4年程度とされています。
まとめ
出典:www.kobe-ojizoo.jp
フタユビナマケモノの特殊な生態に、驚きの連続!
爪は名前にもある通りの長く・鋭い湾曲した爪が特徴的!
そんなフタユビナマケモノは意外にも飼育しやすいペットとされていますが、電気代が月に2万円かかるのは痛い…。
他にも「ナマケモノ専用の部屋」や「樹」を用意しなければいけない点でも、なかなか飼育できる人はいないでしょう。
それでもナマケモノ愛が強い人は、まずは単独飼育から始めて「ナマケモノとの生活」を楽しんでみるのも良いかもしれませんね。