「小柄なハヤブサ」のチゴ(稚児)ハヤブサ。
チゴハヤブサは小型の猛禽類で、くちばしの周りとアイリングが黄色くスマートな顔つきをしています。
ここでは、そんなチゴハヤブサの飼育や鳴き声についてまとめます。
チゴハヤブサとは
チゴハヤブサとは、タカ目ハヤブサ科ハヤブサ属の生き物です。
ユーラシア大陸の寒帯から温帯で繁殖した後、インドやアフリカ南部、東南アジア、中国南部で冬を越します。
日本では、春になると北海道から東北地方に渡来。
チゴハヤブサは「本州中部よりも南で、生息が確認される」ことが多い夏鳥です。
生息環境は、光が入る明るい林や牧場、草原などがあります。
チゴハヤブサの見た目
チゴハヤブサは、尖ったように見える羽先と尾羽の長さがカッコいい!
暗い灰色~茶色の羽毛に、胸部の白黒の斑模様、足の黄色さ、黒く大きな目も特徴的。
あとは写真でも見て分かる通り、頭部は黒く、ほっぺたからお腹側は白~赤褐色となっています。
また、カッコいいのは見た目だけでは無く「飛びながら、昆虫や小鳥を捕まえる優れた飛翔力」も魅力的な鳥です。
チゴハヤブサ「大きさと寿命」
チゴハヤブサはオスなら体長32~35cm 、メスは33~37cm程度の大きさの鳥です。
「翼を開長したときの大きさ」は68~75cm程度、体重は130~340gほどとなっています。
寿命は、環境次第で10~20年ほど生きるようです。
そんなチゴハヤブサの主食は「トンボやセミなどの昆虫」「スズメやツバメ、ヒバリ、コウモリなどの鳥類」など。
一方、飼育下では「ウズラの雛や親鳥、ひよこ、マウス」などで「副食として昆虫」もバランスよく食べさせる必要がありそうです。
チゴハヤブサの生態
ハトくらいの大きさに長い翼、短い尾も可愛らしいチゴハヤブサ。
夏鳥のチゴハヤブサは、5月上旬に北海道や東北地方の低地の林に渡り繁殖。
山の中では「見通しの良い平地や草原」、街中なら「電柱の上」などで獲物をゲット!
巣は、木の上にあるカラスやタカ、リスなどの古巣を利用します。
そして9月ごろになると、暖たかい地域に移動して冬を越すのです。
ハヤブサとチゴハヤブサ
ハヤブサとチゴハヤブサは「下腹部の赤茶色かどうか」で区別が可能。
チゴハヤブサの雛は、成長するにつれて赤茶色の羽毛に。
一方、若鳥は赤茶色ではなく、胴は細め。
尾の先は、翼の先を超す飛翔形も魅力的です。
チゴハヤブサの飼育
チゴハヤブサを飼育するときには、以下のようなポイントも確認しましょう。
・ストレスの少ない「広く静かで、自然豊かな環境」かどうか
・比較的「自由度の高い環境」かどうか
・室内環境は、10度以下にならないように保てるか(夏場も暑くなり過ぎないように注意)
・小さなペットがいる場合は「食べられないように気を付けているか(またはチゴハヤブサが、猫や他の鳥類の標的になることはないか)」
チゴハヤブサのケージは、(必要なら)翼を広げても「怪我をすることのない大き目のケージ」または「小屋」が良いですね。
室内飼いの場合は、床に新聞紙を敷いて「糞対策をする」と掃除がしやすいようです。
チゴハヤブサの販売
※画像は、アンクレット(足輪)のイメージ
チゴハヤブサは、お近くの比較的大きなペットショップでも購入することが出来そう。
ストレスに敏感な「チゴハヤブサの飼育」に当たっては、のびのびとした環境を用意!
鳥用ケージなら「横×縦×奥行き、面積も十分な広さが確保できるもの」を選びましょう。
飼育では、幼い頃から飼育していて飼主さんに慣れている子なら「昼は室外、夜は室内の止まり木につないでおく」などメリハリをつけるのも良さそうです。
因みに、室外では猫や他の鳥類、天候(直射日光や寒暖)にも気を付けて遊ばせるようにしましょう。
チゴハヤブサの値段
チゴハヤブサは、15~30万円ほどで購入できる鳥です。
他、必要経費には、以下のようなものがあります。
・止まり木(バウポーチ):2万円
・革製のアンクレット(足輪)とつないでおく紐:1000円~
・革製の手ぶくろ:1万円程度など
ゴハヤブサは、タカ狩りも出来る鳥です。
飼育に慣れている方なら、フリーフライト(飼い主さんが呼ぶと帰ってくる)も可能だとか!
チゴハヤブサの餌(フード)
チゴハヤブサの餌は、冷凍のマウスやウズラ、ひよこなどを与えましょう。
価格は、1匹あたり100~200円程度です。それを1日1~2個を目安に与えます。
副食の昆虫はミルワームなどがおすすめ。
餌は、冷凍の物よりも生餌の方が栄養価が高いと言われているので「幼い頃は、生餌もたくさん与えて健康的な子」に育てましょう。
チゴハヤブサの鳴き声
チゴハヤブサの鳴き声は「ピーピー」「キーキー」といった甲高い声。
これらの鳴き声は「繁殖期によく聞くこと」が出来ます。
あとは繁殖期の、親鳥の「キュッキュッ」という警戒するような鳴き声も見もの。
でも繁殖期以外は「鳴き過ぎることもないので比較的静かな鳥」とも言えそうです。
チゴハヤブサの鳴き声は「若鳥の、ややか細い声」と比べて聞いてみても面白い!
チゴハヤブサの雛(ヒナ)
チゴハヤブサは、激しいスキンシップが苦手な鳥です。
そのため構い過ぎるとストレスを溜めやすくなります。
チゴハヤブサは「落ちついた環境とドライなスキンシップ」で育てられればOK。
調教するときには、ショップなどの専門家の意見も参考にしましょう。
チゴハヤブサの飼育は、知識つけて、専門家の意見を元に飼育するのが一番です。
チゴハヤブサ「タカ狩り」
チゴハヤブサはヒナの頃から飼育することで「飼主さんに慣れ、適切な調教も可能になる」ことも。
因みに、タカ狩りは「狩猟期間や狩猟区域、狩猟できる鳥獣を守れば問題ない」ようです。
チゴハヤブサが「手袋から飛んで行っても、掛け声ひとつで戻ってきてくれる姿」は感動もの!
でも迷った場合は、環境省へアクセス!
チゴハヤブサを調教する時には「そのまま野生へとかえっていくこともある」ので、調教場所にも気を付けるようにしましょう。
まとめ
出典:youtube.com/
平地にある「密度が薄い森林や、周辺の耕地、野原など」でも狩りをするチゴハヤブサ。
獲物を見つけたら、深いはばたきと滑翔、急降下や急旋回を繰り返して追い掛けます。
捕らえた獲物は、食事場所に運んでからモグモグ…。
※秋なら「足でトンボを捕らえてから口に運び、飛翔しながら食べる様子」も見ることができますよ。
そんな「凛々しいチゴハヤブサ」を飼育するときには、繁殖期のか細く高い声にも注目です!